研究課題/領域番号 |
09555281
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮浦 憲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10002049)
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研究分担者 |
山本 靖典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271646)
石山 竜生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00232348)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 液晶材料 / 芳香族系有機材料 / ビアリール / クロスカップリング / ロジウム触媒 / アリールボロン酸 / ニッケル触媒 / クロロベンゼン / 鈴木・宮浦カップリング |
研究概要 |
液晶材料のみならず他の芳香族系有機材料の開発も視野に入れた一般性のある反応開発を目的として次のテーマについて調査した。 1、 ニッケル触媒、塩基および反応溶媒の探索 芳香族ボロン酸とクロロベンゼン誘導体とのクロスカップリング反応では溶媒にdioxane、配位子としてdppfがもっとも良く、塩基にはリン酸カリウムを使用した場合目的物であるビアリールを収率よく与えることを見出した。 2、 反応における置換基効果 クロロベンゼン上の置換基は、電子吸引基で酸化付加が速く、ベンゼン上の位置に関係なく反応が進行するが、電子供与基では酸化付加が遅く触媒の失活が速いので配位子を過剰量用いることでビアリールを高収率で得ることに成功した。特に窒素などを含むヘテロ芳香族系化合物の合成にも成功した。また、アリールボロン酸、アリール求電子剤と一酸化炭素によるビアリールケトンの合成にも成功した。 3、 スルホン酸エステルの利用 アリールボロン酸とアリールメシラートなどアリールスルホナート類とのニッケル触媒を用いるカップリング反応によるビアリール合成を達成した。 4、 アリールボロン酸の合成法の開発 反応を効率的に行うには芳香族ボロン酸エステルの合成をいかに行うかが問題となる。現在グリニヤールまたはリチウム試薬とホウ酸エステルの反応によって合成するのが一般的であるが、官能基を含むボロン酸エステルの合成には不向きであることから官能基に影響を受けないより直接的なアルコキシジボロンとハロベンゼンのクロスカップリング反応による合成法を開発し、成功した。 5、 ホウ素化合物のロジウム触媒による付加反応の開発 有機ボロン酸のホウ素-炭素結合は共有結合性が高く、イオン反応に対して極めて不活性であるが、ロジウム触媒存在下で有機ボロン酸のα,β-不飽和カルボニルへの1.4付加反応、アルデヒドへの1.2-付加反応が容易に進行することを見いだした。 (1) ロジウム触媒によるエノンの1.4付加反応の開発に成功し、キラルホスフィン配位子を用いることで不斉付加反応が93〜97%eeで達成した。 (2) アルデヒドへの有機ボロン酸の付加反応を開発しアルデヒドのアリール化に成功した。
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