研究課題/領域番号 |
09555298
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 健訓 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (40162961)
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研究分担者 |
沖 雄一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (40204094)
三浦 太一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (80209717)
近藤 健次郎 高エネルギー加速器研究機構, 共通研究施設, 教授 (20004434)
沼尻 正晴 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (20189385)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 陽電子消滅 / ポジトロニウム / 複合材料 / 薄膜 / 高分子 / 多層膜 / 多層膜境界面 / 低速陽電子 / 低速陽電子ビーム / 陽電子の寿命 / 短パルス化 / 高分子表面 / 自由体積 / ドップラー幅 / パルス化効率 / 陽電子の寿命測定 |
研究概要 |
低速陽電子を表面や薄膜に応用する研究は加速器施設を使いなされており、誰でもが簡単に使えるような状況にはない。このような陽電子を小さな化学実験室で、自由に使おうとした場合、加速器を使用すれば大きさや費用の制限が伴い不可能に近く、デスクトップの大きさで通常購入するような装置の価格でなければならない。本研究では、高分子の表面やミクロン程度の厚さのフィルムを陽電子消滅法で解析しようとした場合、エネルギーの低い陽電子(〜KeV)が必要であり、この要求に合う低速陽電子短パルス化装置を開発した。陽電子か高分子に入射した時間を決定するために、40nsの周期で、ビームを高分子材料に入射させ、この周期を、陽電子が材料に入射した時間とすることができる。低速陽電子の短パルス化は、電場による初段圧縮(プレバンチャー)と半同軸空洞による圧縮(プレバンチャー)の2段階で行っている。最初にt^<-2>の関数の電位を低速陽電子を発生するモデレータに印加し、低速陽電子を半同軸空洞の加速部に集中させる。次に、RFにより加速部に焦点を結んだパルスビームをさらに幅の小さいビームに圧縮する。この加速の焦点は測定しようとしている標的である。このようにして、半値幅が0.5〜0.6nsのビームを得ることができた。大低の高分子は寿命が2〜3nsと長いため、この時間分解能は高分子材料の寿命を測定するには十分であるが、金属中の陽電子寿命(〜0.2ns)を測定することはできない。このようにして本研究の目的である高分子表面研究の装置の開発は達成された。この装置を用いてポリエチレン、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の複合材料の表面を測定した。結果は十分期待に応えるもので、今後、多くの高分子材料への応用を行う予定である。また、さらに分解能の小さいビーム達成のために、新たな開発研究を提案している。
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