配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
高精度の深部地圧計測法の開発を目的として,深度500m以上のボーリング孔に適用できる下向き円錐孔底ひずみ法の開発を行った.当該研究期間に得られた研究成果をまとめると以下のようである. 1)泥水中でもストレインセルを貼付できる接着剤を選定した.選定した接着剤は,コニシ(株)社製のクイックメンダーである.この接着剤はごく一般に市販されているものであり,容易に入手することができる. 2)水没したボアホール孔底にひずみゲージを貼付するためのストレインセルを開発した.ストレインセルはエポキシ樹脂製で,表面に16枚のひずみゲージがモールドされており,貼付される際,孔底に溜まった繰り粉を除去するための小型窒素ガスボンベを携帯している. 3)ダイビングベル機構を利用して深度500mまで適用可能なストレインセル貼付装置を開発した.ダイビングベル機構を採用したことで,ストレインセルが孔底に到達するまでに,接着剤を塗布したストレインセル表面が泥水等で濡れることを防ぐことができる.また,ダイビングベル機構の重要な要素である空気室を構成する内管の長さを調整することによって,深度500m以上にも適用可能となってなっている. 4)感度校正試験から,開発したストレインセルは従来の円錐孔底ひずみ法のものと同程度のひずみ測定精度を有していた. 5)模擬ボアホールを使った室内実験から,ストレインセル先端から窒素ガスを噴出し,孔底に溜まった繰り粉を除去できることが確認された. 6)清水中における実岩石への貼付実験は良好であったが,泥水中においては不十分な結果となった.これは,ボンベバルブを開けるために内蔵されている圧縮コイルバネが強すぎたことなどが原因と考えられ,今後の課題とされた. 7)孔内用の小型多チャンネルデータロガーの仕様設計を行った. 8)今後,6)の課題の解決,小型データロガーの製作,オーバーコアリング技術の開発を行うことで,下向き円錐孔底ひずみ法は十分実用化できる深部地圧計測法となることが示された.
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