研究課題/領域番号 |
09555320
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (70026227)
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研究分担者 |
陳 友晴 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (80293926)
楠田 啓 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (90169988)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 蛍光法 / ボアホールテレビジョンシステム / 画像処理 / 割れ目 / 紫外線照射装置 / ボーリング調査 / グラウチング |
研究概要 |
従来のボアホールテレビジョンシステムでは微細な割れ目の識別が不十分で、確認できなかったり誤認したりすることが起こっている。その原因として、孔壁面と割れ目との間には類似した色調を呈する場合などには顕著な相異がなく、識別を困難にしていることが考えられる。そこで、顕微鏡下における微細な割れ目の識別に極めて有効な蛍光法を利用した新しいボアホールテレビジョンシステムの開発をめざした。 まず、光源としては、既存のシステムのゾンデ部分に組み込み可能で、かつ十分な紫外線強度を持つ小型・軽量のリング状のランプを作製した。このランプを内装した新しいシステム用いて室内実験を行った結果、これまで全く確認できなかった多数の微細な割れ目が識別可能となった。また、グラウトに蛍光剤を混入したものを岩盤中に注入し、その後、周囲の検査孔で観察する方法についても検討したところ、発光したグラウト材を観察することにより孔壁周辺の微細な割れ目の存在状況を直接識別することができた。 つぎに、2つの屋外実験により、このシステムが実際に適用可能かどうかを検討した。兵庫県・舞子トンネルにおける実証試験では、トンネル拡幅掘削前後における孔壁の観察結果を比較した。その結果、拡幅による新たな割れ目の形成や既存の割れ目の進展状況が鮮明に確認でき、周辺岩盤のゆるみの状況を視覚的にとらえることが可能となった。九州・横竹ダムサイトでの実証試験からは、濃度ごとに使い分けした3色の蛍光剤が原位置で明瞭に識別でき、グラウトの亀裂や間隙への浸透状況が濃度ごとあるいは注入段階ごとに詳しく分析できることが明らかとなった。 以上のことから、新しく開発したボアホールテレビジョンシステムは、現場に十分適用可能で、かつボーリング孔周辺の微細な割れ目の存在状況の評価にきわめて有効な手法であることが判明した。
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