研究課題/領域番号 |
09556002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 篤志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60023470)
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研究分担者 |
中村 郁郎 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50207867)
中園 幹生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70282697)
堤 伸浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00202185)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | アセトアルデヒド脱水素酵素 / イネ / 呼吸 / 低酸素 / アルデヒド脱水素酵素 / 稔性回復遺伝子 / 核ゲノム / AOX / ミトコンドリアゲノム |
研究概要 |
作物の稔性はエネルギーの供給に頼っており、エネルギーは主にATPとして酸素呼吸から得られる。ミトコンドリアで働く呼吸系遺伝子は核とミトコンドリアゲノムに支配され、両者のクロストークがエネルギー産生を左右し、稔性を制御すると思われる。そこでイネにおいて核とミトコンドリアに支配される呼吸系遺伝子の酸素に対する影響を調ぺた。冠水状態のような低酸素条件にイネを置くとalternative oxidase遺伝子(AOX1a)を含む核コードである呼吸系遺伝子の転写産物の蓄積は低下したが、ミトコンドリアコードの遺伝子では変わらなかった。ルテニュウムレッドはミトコンドリアなどのオルガネラのカルシュウムイオン排出の阻害剤である。低酸素状態でこのルテニュウムレッドを投与すると投与しないコントロールに比ぺて、AOX1a遺伝子は発現の減少があまりなかったが、チトクローム呼吸経路に関与する遺伝子の転写産物の蓄積は変化しなかった。アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)は低酸素条件下で発現量が上昇するか、ルテニュウムレッドを投与しても、この上昇には変化がなかった。なおルテニュウムレッドとカルシュウムイオンを同時に加えた場合はどちらも加えないコントロールと同じ結果になることから、この実験において、ルテニュウムレッドはカルシュウムイオン排出の阻害剤として働いていることがわかる。以上の結果は、AOX1a遺伝子の発現制御にはカルシュウムイオンか関与しているが、それ以外の遺伝子には関与しておらず、低酸素状態のミトコンドリアから核への情報伝達には少なくても2種類あることが明らかになった。
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