研究課題/領域番号 |
09556023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 篤治 京都大学, 農学研究科, 教授 (40026422)
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研究分担者 |
上田 輝久 島津製作所, 研究開発部, 課長(研究員)
加納 健司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10152828)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | バイオ電池 / ヒドロゲナーゼ / 硫酸還元菌 / メチルビオローゲン / カーボンフェルト電極 / ビタミンK / メディエータ / 微生物 / 硫酸菌 / 鉄硫黄細菌 / ヘキサシアン鉄酸イオン / ビタミンK_3 / ビドロゲナーゼ / 鉄酸化細菌 / カーボンフェルト電柱 / ルスチシアニン |
研究概要 |
水素を燃料とするアノード反応に関して、温和な条件での水素の電解酸化還元の実現をめざした。電極触媒として硫酸還元菌のヒドロゲナーゼ活性に着目し、硫酸還元菌触媒による電気化学水素発生の可能性について基礎的な検討を加えた。メチルビオローゲン(MV)溶液に硫酸還元菌をいれると、MVの還元が始まる電位で大きな還元電流が流れグラシーカーボン電極から水素ガスの発生が認められた。また、溶液に水素ガスを吹き込むと大きな酸化電流が流れ水素の大変迅速な電解酸化が起こることが分かった。微生物細胞と電極との間の間接電子移動を、電気化学の理論に基づいて詳細に解析した結果、微生物内ヒドロゲナーゼは、水素消費、水素発生のどちらの方向にも大変高い触媒活性を示し、常温中性という温和な条件下で、拡散律速に近い反応速度を与えることが明らかとなった。 2) 同じく温和な条件での酸素の水への電解還元の実現をめざして、電極触媒として鉄酸化細菌を用いた場合について基礎的検討を進めた。鉄酸化細菌は硫酸第一鉄を自身のエネルギー源として使用する。鉄酸化細菌懸濁液中で硫酸第二鉄を電解還元すると、それに伴って好気条件下の還元電流が大きく増加した。結果の解析から酸素が鉄の酸化還元を媒介として電気化学的に水にまで還元されていることが明らかになった。但し、この反応は鉄酸化細菌の生理条件からpHが3とかなり酸性条件に限られることか分かった。 3) アルコールのような有機物を燃料とする場合についても、酢酸菌の酸化触媒としての電気化学研究によって、この菌が大変有望なアノード触媒となることを明らかにした。 4) 菌体を大量にトラップできる.電極として、カーボンフェルトを電極基材として選び、Fe(CN)^<3->_6-/Fe(CN)^<4->_6系を用いてその電気化学基本特性を明らかにした。この研究は、なお継続して行うべき問題を残しており、隔膜をへだてたバイオ電池の構成には、いま一歩の継続研究が必要である。
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