配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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研究概要 |
我々は,放線菌の代謝産物oxazolomycinから調製したエステル類が,抗菌活性を示さずクラウンゴール形成阻害活性を示す,特異的な形質転換阻害物質であることを見い出してきた。 まず,Oxazolomycin生産菌の培養液からoxazolomycinの幾何異性体oxazolomycin B,oxazolomycin Cを得た。これらの化合物は,A.tumefaciensに抗菌活性を示さずクラウンゴール形成阻害活性,植物毒性を示した。この生理活性スペクトルは,oxazolomycin,そのエステル体いずれの場合とも異なっており,構造活性相関の観点から興味深い。 Oxazolomycin diacetateは,A.tumefaciensのポテトディスクへの付着を阻害することが判明した。付着に関与しているA.tumefaciensによるセルロース生合成,cyclic b1,2-glucan合成酵素活性に対してoxazolomycin diacetateは阻害を示さなかったが,A.tumefaciensが生産する付着タンパクrhicadhesinの作用を阻害することが判った。 また,我々が開発した新規の形質転換確認法で,植物カルス由来の形質転換阻害物質を探索し,ヨウシュヤマゴボウカルスからphytolaccoside Bを単離した。本化合物は抗菌活性,植物発芽阻害活性を有さないことから,oxazolomycin diacetateと同様,形質転換機構解明のための生化学プローブとして有用と考えられる。 さらに,A.tumefaciens凝集活性を有する化合物として我々が既に土壌細菌から既に単離した新規の酸性多糖PS-1が上記の形質転換確認法で,形質転換促進効果を有することを明らかとした。
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