研究概要 |
コンピュータ・グラフィックスにより木目を創製することの意義は枯渇する優れた木目,また用途に応じたイメージをもつ木目を自由に作り出すことが出来ることにある.以下に本研究で得られた研究実績の概要を示す. 1. 木材色に見えるRGB値相互の関係式を明らかにした. 2. 画像の中の明るい部分の明度が高ければ「明るい」「軽い」「洋風な」イメージとなり,低いと「落ち着いた」「渋い」「重厚な」イメージにすることができる. 3. RGBの濃度階調ヒストグラムの分布幅(標準偏差)を大きくすればコントラストが大きくなるので「派手な」「はっきりした」「あらい」イメージを与え,小さくすれば「ぼんやりした」「淡い」イメージを与える.「感じのよい」イメージを与える早晩材コントラストの最適値は明度差で1.5であった.ただし全体の明度が高くなるとこの最適値は小さくなる傾向がある. 4. いわゆる梨地といわれるミクロパターンは,放射組織および細胞の配列により異なるが,針葉樹に比較して広葉樹ではこのパターンは明確であり,これを印刷木目に付与することにより,本物らしさ(リアル感)が出てくる. 5. 規則的でない低周波(長波長)の濃淡グラデーションもまたリアル感に大きく寄与する.
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