研究課題/領域番号 |
09556063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
矢野 史子 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (30101249)
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研究分担者 |
増子 孝則 明治飼糧株式会社, 開発部, 研究員
大石 武士 近畿大学, 農学部, 助教授 (00088189)
松井 徹 京都大学, 農学部, 助教授 (40181680)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | メンヨウ / 乳牛 / リン利用性 / 乳清 / ナタネ粕 / 大豆粕 / 反芻家畜 / リン / ルーメンバイパス処理 / フィチン態リン / 十二指腸カニューラ / 環境 / リン排泄 / フィチン酸リン |
研究概要 |
反芻家畜では、植物性飼料に多く含まれるフィチンは反芻胃内で容易に分解されるためフィチン態リンの利用性は高いと考えられてきた。近年反芻家畜におけるタンパク質利用性を改善する目的で反芻胃内でのタンパク質分解性を低下させるためのいわゆるバイパス処理が検討されている。この処理を施すとタンパク質と強く結合しているフィチンの分解性も低下する可能性がある。 第一に大豆粕およびナタネ粕に加熱処理、またはフォルムアルデヒド処理を行い、ナイロンバッグ法を用いてこれら飼料に含まれるフィチンのメンヨウ反芻胃内分解性を検討した。いずれの処理も反芻胃内におけるタンパク質およびフィチンの分解は抑制した。この結果からバイパス処理は反芻胃内のフィチン分解を抑制し、これら粕中のリン利用性を減少させることが示唆された。 第二に加熱処理を行ったナタネ粕をメンヨウに給与し十二指腸に流下するフィチン量を検討した。この試験の結果からナタネ粕中のフィチン酸の一部は分解されずに十二指腸に到達すること、加熱処理はその量を増加することが明らかとなり、加熱処理はナタネ粕中リンの利用性を低下させることが明らかとなった。 第三に泌乳牛のためのリン源として乳清の利用を試みた。ホルスタイン種泌乳牛を乳期ならびに乳量が同程度となるように2群に分け、各期2週間からなる反復試験に割り当てた。乳清区には乾燥乳清を飼料の20%添加し、無機リンの補給は行わなかった。対照区の飼料にはリン含量を一定とするためにリン源としてリン酸カルシウムを添加した。なお、飼料中のリン含量は要求量下限とした。乳量や血清中無機リン濃度は両区の間に有意な差は認められなかった。以上の結果から、乳清はリン源としてリン酸カルシウムと同程度の利用性を有することが示唆された。
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