研究概要 |
細菌は16SリボソームRNA配列により系統的に分類されてるようになったが,RNA配列が度の程度類似してれば同一種であるかといった概念は未だ完成されていない.我々は16SrRNA配列が99%以上類似している菌株間の遺伝学的類似度を測定し定量的DNA/DNAハイブリッドを使用しなければ菌種を最終的に決定できないことを証明してきた. この染色体DNAのDNA/DNAハイブリッド法は従来固相法と液相法の2つの方法が実用化されているが,さまざまな方法論の問題点を抱えている.我々はマイクロプレートを使用した固相法を開発して使用してきたが,この方法はDNAの純度に左右されるため多糖体を大量に生産する菌のDNAには不向きであった. DNAの純度を検定する方法として吸光度280/260>2.0という従来の基準を見直し多糖類の混入を定量化することによりDNAの純度を評価する指標を追加した.このことで実験の精度は上昇したが,DNAから多糖類を効率よく取り除く方法が必要となった.この対策としてキアゲンのDEAEシリカを使いNaClによる濃度勾配でDNAと多糖体を分けるプロトコールを作成した. 上記の方法でDNAの純度を上昇させることが出来たが,多糖を取り除く過程でDNAの損失も多く,糖類の混入があってもハイブリッド形成実験のデータが影響を受けない液相ハイブリッド法の開発も必要になった.この目的にはDNAをbiotin標識DNAを液体中でハイブリッドを系させStreptavidin magnet beadsを使用してハイブリッドを形成したDNAを選択した.その後,2本鎖DNAをSYBR Green 1を加え定量する方法を作成した.
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