研究課題/領域番号 |
09557028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 一博 京都大学, 医学部, 助教授 (70234929)
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研究分担者 |
青野 利哉 東洋紡績株式会社, 総合研究所・メディカル研究所, 研究員
多屋 馨子 京都大学, 医学部, 助手 (80263276)
稲城 玲子 京都大学, 医学部, 助手 (50232509)
山西 弘一 京都大学, 医学部, 教授 (10029811)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | サイトメガロウイルス / 潜状感染 / 再活性化 / NASBA法 / 潜伏感染 / 骨髄移植 / 臓器移植 / mRNA / AIDS |
研究概要 |
我々は、CMVの潜伏感染部位がマクロファージ・顆粒球前駆細胞であることを見い出しCMVの潜伏感染時に発現する遺伝子産物を同定したこれらの知見を基に、CMVの再活性化に対する新しい検査法の開発に着手した。 DNA診断法では潜伏感染による偽陽性が生じ、抗原血症等のウイルス蛋白測定法は感度が低いことが判明していた。そこで我々は、潜伏感染時には発現せず、再活性化が生じたときに大量に発現するウイルスmRNAを検出するシステムを開発することとした。この様な条件を満たすものとしてb2.7と呼ばれるCMVのmRNAを選択した。このmRNAは、潜伏感染時には全く発現せず、再活性化等による感染細胞中では全ウイルスmRNAの30%を占めるほど高発現する。しかし、b2.7にはスプライシング部位が無いため、通常のReverse transcription PCR(RT-RCR)法では、潜伏感染化しているDNAと再活性化によるmRNAとの区別がつけ難かった。 解決法として、Nucleic Acid Sequence Based Amplification(NASBA)法による核酸増幅法を採用した。NASBA法は、検体中に含まれる一本鎖の核酸(通常はRNA)を、RNAポリメラーゼを用いて塩基配列特異的に増幅するシステムである。我々は、NASBA法によって、RNAがDNAに比し千倍以上増幅される反応条件及び核酸抽出法の開発に成功した。 さらに、骨髄移植患者と腎移植患者において、このb2.7NASBA法によるCMV再活性化の検出を行い、DNA・PCR法、抗原血症測定法(C7-HRP法)、ウイルス分離と比較した。その結果、b2.7NASBA法は、他の方法に比して、1〜2週間早く、しかも症状の出現する前に、CMV再活性化を検出でき、潜伏感染しているCMVを陽性として検出する事はなかった。
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