研究課題/領域番号 |
09557033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
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研究分担者 |
能美 健彦 国立医薬品食品衛生研究所, 変異遺伝部, 主任研究員 (30150890)
松本 寛 北海道環境科学研究センター, 環境保全部, 主任研究員
清水 英佑 東京慈恵会医科大学, 教授 (80056879)
田中 憲穂 食品薬品安全センター, 秦野研究所・細胞毒性学研究室, 研究員
永瀬 久光 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40141395)
佐藤 孝彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50082970)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1997年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 都市大気粉塵 / ニトロアレーン / 多環芳香族炭化水素 / 遺伝子毒性 / エームステスト / マウスリンパ細胞試験 / in vitro小核試験 / ニトロアレーン代謝酵素欠損株 / Ames test / YG7126 / 7130株 / L5178Y細胞 / ニトロ還元酵素欠損株 / PAH / Ames-test / YG7126-7130株 / TA1535 / pSK1002菌株 |
研究概要 |
大気浮遊粉塵の遺伝子毒性を明らかにすることを目的に札幌市で1974年から24年間採取した大気粉塵を用いて研究を行い次のような結果を得た。 [変異原性・発癌性物質濃度及びエ一ムテストによる変異原性]過去24年間において、PAH濃度は大幅な減少を示したのに対しニトロアレーン濃度は明白な増減傾向を示さなかった。またTA98、TA100株での変異原活性の減少傾向は小さかった。これらのことからPAHは肺癌のリスクを考えた場合の大気汚染の指標としては妥当とは言えないこと、及び大気粉塵の変異原性からみたヒト健康への危険性はあまり減少していないことが明らかとなった。一方、ニトロアレーン代謝酵素欠損株での試験結果からニトロアレーンが大気中変異原に大きく寄与していることが明らかとなった。 [マウスリンパ細胞試験による変異原性]L5178Y細胞を用いたMLA試験は、粉塵抽出物中の突然変異や染色体異常を誘発する物質の検出に極めて有効であることを明らかにした。MLA試験による単位濃度当たりの突然変異誘発能は+S9の系では経年的に明らかに減少したのに対し、-S9の系では明白な増減傾向を示さなかった。 [in vitro小核試験による変異原性]CHL細胞を用いた小核試験により粉塵抽出物の変異原性評価が可能であることを明らかにした。本法による大気lm3当たりの小核誘発頻度は+S9の系では経年的に明らかな増減傾向はみられず、-S9の系では1980年代前半に高かった他は年度間での差は小さかった。 [新しい欠損株の開発]エームス試験菌株のTA1535、TA1538株のenrまたはeat遺伝子を特異的に破壊したニトロ還元酵素欠損株(YG7128、YG7132株)、アセチル転移酵素欠損株(YG7126、YG7130株)を作成した。次にニトロアレーン検出株としてのこれら菌株の有効性を立証するとともに、これらの菌株を用いた変異原性試験結果から大気中変異原へのニトロアレーンからの寄与がかなり大きいことを確認した。
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