研究課題/領域番号 |
09557058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
山村 隆 国立精神・神経センター, 神経研究所 疾病研究第6部, 室長 (90231670)
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研究分担者 |
高橋 慶吉 国立精神, 神経センター・神経研究所 歙病研究第6部, 室長 (40117148)
田平 武 国立精神, 神経センター・神経研究所 疾病研究第6部, 部長 (80112332)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | TCRワクチン / 多発性硬化症 / 神経免疫 / CDR3領域 / 抗イディオタイプネットワーク / 抗イディオタイプ・ネットワーク / SSCP / idiotype network |
研究概要 |
脳炎惹起性T細胞多ローン4b.14aの抗原受容体(TCR)アルファ鎖のCDR3領域に相当するペプチド(CDR3ペプチド)は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を含む各種自己免疫疾患を増悪させる(Yamamura et al.J.Neurosci.Res.45:706-713,1996)。これまでそのメカニズムは推測の域を出なかったが、今年度の研究でCDR3ペプチド特異的で疾患を増悪させる調節性T細胞の存在すること、この調節細胞が疾患の増悪に関与することが明らかになった。以上の結論は、CDR3ペプチド特異的T細胞の受け身移入実験によって証明された(Fazekas et al.論文準備中)。さらに前年度樹立されたCDR3ペプチド特異的T細胞ハイブリドーマ4株のTCR配列を決定した結果、いずれも同一のTCR配列(Vベータ14陽性)を共有することがわかり、この調節細胞集団はin vivoでclonal expansionを起こしている可能性が示唆された。この推測の正しさは、single strand conformation polymorphism(SSCP)法による解析により確認された。すなわち、正常なSJL/JマウスのCD25陽性T細胞分画をSSCP法で調べたところ、Vベータ14陽性細胞のclonal expansionが確認され、この増殖したクローンのTCRがCDR3ペプチド特異的T細胞ハイブリドーマのTCRと同一であることがわかった。以上の結果は、疾患誘導を調節するCDR3特異的T細胞を標的にする新しい治療法の可能性を示唆した。すなわち、この細胞を不完全に刺激してTh2サイトカイン産出を誘導する、などの方法が考えられる。マウスではここまで詳細が明らかになったので、今後サルやヒトにおける調節性T細胞研究を進める必要がある。
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