研究課題/領域番号 |
09557093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松下 通明 北海道大学, 医学部, 助教授 (20250425)
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研究分担者 |
藤堂 省 北海道大学, 医学部, 教授 (60136463)
丸藤 哲 北海道大学, 医学部, 教授 (30125306)
村林 俊 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30200306)
高橋 学 北海道大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1997年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | スフェロイド / 迅速作成 / 人工肝臓 / 凍結保存 / 尿素合成能 / アルブミン / 細胞培養環境 / コラーゲンゲル / ハイブリッド型人工肝 / 回旋培養 / 冷凍保存 / ハイブリッド型人工用 |
研究概要 |
1.迅速肝細胞スフェロイド作成法の検討 ハイブリッド型人工肝臓モジュールの機能中心として肝細胞スフェロイドの迅速大量作成を目的に、前年に引き続きスフェロイド作成実験を行った。実験数を重ね、EGTA,Ca2+無添加灌流分離法で得られた肝細胞を旋回培養すると6時間後には約80%の肝細胞がスフェロイドを形成することが判明した。また、予備実験において、ブタ肝細胞ではラットに比べ10倍の細胞濃度でも6時間でスフェロイドが形成される知見を得ている。 2.ラット肝細胞スフェロイドの凍結実験 上記迅速肝細胞スフェロイド作成法で作成したラット肝細胞スフェロイドを凍結保存した。凍結プロトコールは以前報告したものに、若干の変更を加え以下の条件で行った。凍結保護剤(10% DMSO,10% FCS添加L-15培地)に浮遊させた肝細胞スフェロイドを室温で20分静置し、プログラミングフリーザーにて、-5.5℃にてsuper coolingし着氷後15分間維持した。その後、1℃/minにて-40℃まで冷却し、-80℃のdeep freezerに保存した。10日以内に37℃恒温漕にて急速解凍し、急激な浸透圧差が生じないよう、段階的希釈にて凍結保護剤を取り除いた。解凍前後の位相差顕微鏡像、残存LDH量、尿素合成能、残存LDH量、アルブミン産生量を比較検討した。 作成直後の肝細胞スフェロイドは球状で一部bleb形成を認め、凍結保護剤浸透中もblebが残るスフェロイドの表面が皺状になった。解凍後はスフェロイドの形態は維持されていたが、こうしたblebが消失していた。残存LDH量は解凍後約27%まで低下しその後も漸減傾向にあった。尿素合成能は解凍直後は約50%程度あったが、漸減し、解凍後24時間では約18%まで低下した。アルブミン産生量は、解凍後24時間で約200分の1と著明に低下していた。 今回の凍結保存実験では、不可逆的な細胞死が生じていることが判明した。その理由として、肝細胞スフェロイド自体にblebが存在し、凍結解凍で破壊され、損傷した膜構造が回復できないままの状態であることが推察された。しかし、蛋白合成に関しては期待できないが解毒に関しては短時間であれば使用可能であると考えられた。よりクオリティーの高いスフェロイドを用いて今後検討を要すると考えられた。 3.肝細胞スフェロイドの培養環境の検討 静置培養では肝細胞スフェロイドは培養早期に尿素合成能が低下していくことが判明したが、コラーゲンゲルを用いた培養環境では高機能を長期に維持することが判明した。
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