研究分担者 |
崔 拓巳 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (30242720)
上田 宣夫 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (20223464)
土肥 修司 岐阜大学, 医学部, 教授 (40155627)
近藤 裕司 アロカ(株), 技術部・課長(研究職)
松中 敏行 アロカ(株), 技術部・部長(研究職)
近藤 祐司 アロカ(株), 技術部・課長
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
血管内超音波法による心拍出量の測定には,1.血管内超音波断層法による肺動脈断面積の測定,2.血管内ドプラ法による肺動脈血流速度の測定,3.1と2を組み合わせた肺動脈超音波ドプラ断層カテーテルの製作が必要と考えられる. 血管内エコー図法を心腔内エコー図法として応用し心腔内断層エコー図法による心腔および肺動脈腔の描出を試み,描出可能な超音波振動子付きカテーテルを開発した.動物実験の結果,血管内エコー図法としては通常発振周波数30MHzの超音波が用いられるが,30MHzでは診断距離が短すぎ5mm径以下の血管・心腔しか明瞭に描出できなかった.このため発振周波数15-20MHz程度のカテーテル型超音波振動子を用いた.しかし発振周波数を低下させると超音波振動子のサイズが大きくなるという問題があり,肺動脈カテーテルの内腔に超音波振動子を通す必要性からカテーテル側の検討を同時に行った.7.5Fの肺動脈カテーテルを検討した結果,利用可能なルーメンの最大径は1.15mmと推測された.このサイズでのカテーテル型超音波振動子の開発と肺動脈カテーテル側の加工を試みた.超音波透過性の面からの肺動脈カテーテルの素材の検討ではポリエチレン>塩化ビニール>ウレタンの順に優れていた.ポリウレタン製9Frと7Frのdouble lumenの肺動脈カテーテルと素子回転型血管内エコー図用(IVUS用)カテーテルの組み合わせで行った検討ではIVUS用カテーテルを挿入すると先端圧が不明となること,またカテーテル全体の硬度が増加しカテーテルが血流に乗って進まないことが判明したため独立して先端圧がモニターできる塩化ビニール製のtriple lumenのカテーテルでの検討に変更した.20MHzの素子回転型IVUS用カテーテルとの組み合わせでは上大静脈,右房は肺動脈カテーテルに沿って描出可能であった.IVUS用カテーテルをその内腔を通して右室には挿入可能であることが確認されたが20MHzのIVUS用カテーテルでは右室さらには左室壁を描出することは不可能で心腔内心エコー図としてはより低発振周波数のIVUS用カテーテルの必要性が再認識された.しかし,心拍出量の測定において必要なのは肺動脈断面積であり,この目的のためには20MHzのIVUS用カテーテルでも可能であるかもしれない.そこで,20MHzの64素子電子走査型IVUS用カテーテルで検討を行った.操作性,カテーテルの柔軟性,画像のクオリティで素子回転型よりも電子走査型IVUSカテーテルの方が,研究者らの用いている肺動脈カテーテル内から肺動脈断面の描出,断面積計測には優れていた.肺動脈に電磁流量計を装着して測定した心拍出量と,研究者らの作成した肺動脈カテーテルから肺動脈絶対血流速度と肺動脈断面積を測定して演算で得られた心拍出量は良好な相関関係,測定値の一致をみた.今後,安定して肺動脈内から肺動脈断面の描出可能な肺動脈-IVUSカテーテルの開発が必要であるが,研究者らの開発した方法でリアルタイムに連続的心拍出量測定が可能であることが示唆された.
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