研究課題/領域番号 |
09557145
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩本 資己 大阪大学, 歯学部, 講師 (80203644)
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研究分担者 |
樋口 義信 中外製薬株式会社, 研究員
山口 朗 長崎大学, 歯学部, 教授 (00142430)
岩本 容泰 大阪大学, 歯学部, 講師 (30223431)
中島 和久 大阪大学, 歯学部, 助手 (90252692)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | ヘッジホッグ / 軟骨原性細胞 / 骨原性細胞 / BMP / 硬組織修復 / 軟骨前駆細胞 / 軟骨形成 / 肢芽 / BMP-2 / 骨格形成 / 軟骨細胞 / 骨芽細胞 / 硬組織 |
研究概要 |
ヘッジホッグ(hedgehog;hh)ファミリーは、形態形成の鍵として注目されている一群の蛋白因子である。骨格形成においてもShh(Sonic hedgehog)およびIhh(Indian hedgehog)の間接的関与が報告されている。Shhは前後軸決定因子としてだけでなく、BMP、FGFを介して軟骨原基の形成速度調節にかかわることが明らかになっている。また、Ihhは肥大軟骨細胞層で発現し、PTHrpを介して軟骨細胞の石灰化を抑制することにより、長管骨の伸張速度を調節していることが示唆されている。本研究においては1)硬組織形成におけるヘッジホッグ蛋白質の作用機構を解析し、その生理学的意義の解明を行うとともに、2)ヘッジホッグ蛋白の硬組織修復因子としての実用化を検討した。 その結果、Shhのリコンビナント標品(rShh-N)単独では軟骨・骨の形成はほとんど誘導されないが、BMP-2と同時に投与すると異所性軟骨性骨化が誘導されることが判明した。さらに、その作用はBMP-2単独と比較して強力であった。また、硬組織欠損修復作用についても、rShh-N単独では作用は非常に弱いが、BMP-2の作用を著明に増強することが判明した。一方、rShh-Nは軟骨前駆細胞に直接作用し、その分化を促進すること、また、その作用はBMP-2の存在により強力に促進されることが判明した。つまり、rshh-NはBMP-2と共同して、軟骨原性および骨原性細胞の分化を促進し、異所性内軟骨性骨化の誘導を行うことが明らかになった。IhhもShh-Nと同様の作用を保持していた。 以上の結果は、ヘッジホッグ蛋白はBMPとの併用により、硬組織修復因子となる可能性を示唆する。また、骨格発生において、ヘッジホッグ蛋白はBMPなどの因子と共同で、軟骨前駆細胞の分化を制御していることも示唆された。
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