研究課題/領域番号 |
09557155
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
西原 達次 国立感染症研究所, 口腔科学部, 室長 (80192251)
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研究分担者 |
江藤 譲 味の素株式会社, 中央研究所, 主席研究官
岡橋 暢夫 国立感染症研究所, 口腔科学部, 主任研究官 (40150180)
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1998年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1997年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | アクチビン / アポトーシス / インターロイキン-1 / インターロイキン-1レセプターアンタゴニスト / 細胞周期の停止 / 歯周炎 / 歯周炎予防 / IL-1β / IL-1β変換酵素 / セリン / スレオニンキナーゼ / サイトカイン |
研究概要 |
我々は、TGF-βスーパーファミリーに属するアクチビンがマウスB細胞ハイブリドーマのGl期での細胞周期の停止とアポトーシスを誘導することを見い出し、その発現機構を解析してきた。初年度の研究ではアクチビンの受容体について解析を加えた。まず、アクチビンに対して感受性の高いB細胞ハイブリドーマHS-72細胞にアクチビンI型受容体であるIA(ActRIA)およびIB(ActRIB)の発現ベクターを導入した細胞株を作製した。これらの細胞のアクチビンに対する反応を調べたところ、増殖抑制とアポトーシスの発現はActRIBを介して伝達されることが明らかとなった。次年度は、TGF-βスーパーファミリーの細胞内情報伝達因子として注目されているSmadを中心に研究を進めた。HS-72細胞をアクチビンで刺激することにより、抑制型SmadであるSmad7のmRNAの発現の亢進が認められた。そこで、Smad7の遺伝子をHS-72細胞に導入して、アポトーシスと細胞周期の誘導におよぼす影響について調べた。Smad7を強発現したHS-72細胞では、アクチビンによるアポトーシスおよび細胞周期の停止が完全に抑制された。さらに、細胞周期の停止の際に引き起こされる細胞内タンパクであるRbおよびp21^<CIP1/WAF1>の変動が著しく阻害された。このことから、アクチビンにより誘導されるSmad7は負のフィードバック機構を介してアクチビンによる作用を制御していることが明らかとなった。以上の結果、アクチビンが受容体に結合した後、アクチビンI型受容体(ActRIB)から細胞内へ伝達された情報はSmadファミリータンパクを介して核まで情報が伝達されている可能性が強く示唆された。2年間の研究で明らかとなったアクチビンによる細胞増殖抑制IL-1産生抑制の機構に関する知見を踏まえて、今後、あらたな歯周病予防法の開発と治療への応用を目指していくつもりである。
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