研究概要 |
我々は、既存のインプラントの持つ臨床上の問題点を克服するため,高い骨形成能を有する細胞接着分子コーティングインプラントの開発を進めることを目指し研究を進め,昨年度までにヒト骨肉腫由来の株化骨芽細胞であるHOSを用いて,1.骨芽細胞のハイドロキシアパタイトおよびチタンに対する特異的接着には血清成分の存在が不可欠である.2.骨芽細胞のハイドロキシアパタイト上での伸展にはRGDペプチド含有蛋白が関与するが,一方チタン上での伸展には同蛋白よりもむしろ他の接着分子が関与している可能性ある.ことを明らかにしてきた. 本年度は,これらの知見に対しさらに詳細な検討を加え,以下の結果を得た. 1. ハイドロキシアパタイトに吸着する蛋白はチタンのそれと比較して約60倍量であり,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により,50kD以下の領域において両材料に吸着する蛋白の様相が異なることが明らかになった。 2. RGDペプチドを用いて阻害実験を行い,骨芽細胞のハイドロキシアパタイト上での伸展にはRGDペプチド含有蛋白が関与するが,一方チタン上での伸展には同蛋白よりもむしろ他の接着分子が関与していることが明らかになった.
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