研究課題/領域番号 |
09557163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (70161049)
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研究分担者 |
宮本 謙一 金沢大学, 薬学部, 教授 (30100514)
飯村 忠浩 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20282775)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10114745)
藤沢 隆一 北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1998年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 骨 / ハイドロキシアパタイト / 薬物輸送法 / 酸性ペプチド / 骨粗鬆症 / phosphodiesterase4 / phosphodiesterase4阻害薬 / FGF / FITC |
研究概要 |
骨組織に選択的に薬物を輸送することが可能となれば、骨疾患に対する薬物治療の大きな前進を期待することができる。ハイドロキシアパタイト(HA)は硬組織(骨・歯)以外の組織には存在しないことから、薬物にHA選択性を持たせることにより骨組織に薬物を選択的に輸送することが可能となる。そこで、Aspの6回繰り返し配列(Asp)6にfluorescein(FITC)を結合させた(Asp)6-FITCを作製し実験をおこなった。(Asp)6による修飾によりFITCのHA親和性が増加し、また(Asp)6-FITCを全身投与するとFITCは骨組織に特異的に沈着した。(Asp)6-FITCをラットに静脈内投与すると、FITCは急激に血中から消失し(半減期約60分)、24時間までに投与した量の約95%が尿に排出され、約2%が骨に蓄積した。また、(Asp)6-FITCを投与したマウス大腿骨での生物学的半減期は約14日であった。さらに、骨組織に作用を示す数種類の薬物を(Asp)6で修飾したところ、これらの薬物のHA親和性が著しく増加した。また、estradiolを(Asp)6で修飾した(Asp)6-estradiolは卵巣摘出マウスの骨量減少を抑制したが、この化合物は子宮重量の増加作用を示さなかった。これらの結果より(Asp)6は骨組織への選択的薬物輸送法のためのキャリアーとして有効であることが示唆された。さらに、phosphodiesterase4(PDE4)阻害薬が骨組織に対してアナボリック作用を示し、ラットの骨量減少症モデルにおいて治療効果を示すこと、Fibroblast Growth Factor4(FGF4)のN端よりdeletionをかけた短いリコンビナントFGF4を作製しこれが骨組織に対して強力なアナボリック作用を示すことを明らかにした。今後は、PDE4阻害薬あるいはリコンビナントFGF4を(Asp)6により修飾し、動物実験においてその効果を検討する予定である。
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