配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
1.A群溶血性レンサ球菌製剤OK-432において、IFN-γ誘導活性を中和する単クローン抗体TS-2を結合させたCNBr-activated Sepharose 4Bを用いたアフィニティ・クロマトグラフィによりIFN-γ誘導分子(OK-LTA)を精製した。このOK-LTAはリポタイコ酸を含む糖脂質標品である。OK-LTAはin vitro及びヌードマウスを用いたin vivoの実験系において、著明な抗腫瘍活性を保有していた。 2.OK-432より抽出したリポタイコ酸標品(OK-LTA)は、ヒト末梢血単核球と反応して、IFN-α,β,γ,TNF-α,β,IL-2,IL-6,IL-12,IL-18等のサイトカインを誘導し、更にNK,LAK活性を誘導することを明らかにした。 3.ヌードマウスにヒト頭頸部癌細胞(口腔扁平上皮癌細胞と唾液腺癌細胞)を移植して、X線(10Gy),5-Fu(40mg/Kg),OK-LTA(10〜100mg/body)をそれぞれ単独及び併用投与して、抗腫瘍効果を検討した。その結果、5-Fuの抗腫瘍効果は、OK-LTAにより増強されることが示唆された。 4.Negative liposome kit(egg lecithin:dicetylphosphate:cholesterol=7:2:1,molar ratio)を用いて、リポソームに封入されたOK-LTA(Lipo-OK-LTA)を調製した。この標品で、ヒト末梢血単核球(PBMC)を刺激すると、IFN-γ,TNF-α,β,IL-2,IL-6,IL-12,IL-18等のThlタイプサイトカインを著明に産生し、またNK及びLAK細胞を誘導した。 5.Lipo-OK-LTAの活性は、抗アシクロGM1抗体と補体により、ほぞ完全に中和された。上記の担癌マウス、及びヒト口腔扁平上皮癌細胞(BHY,HN)を担うヌードマウスにおいて、Lipo-OK-LTAは放射線或いは5-Fuの治療効果を有意に上昇させることを明らかにした。
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