研究分担者 |
大高 章 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20201973)
山本 嘉則 東北大学, 理学研究科, 教授 (60029519)
井深 俊郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80025692)
田中 洋和 藤沢薬品工業, 研究情報部, 研究情報担当部長
細谷 亮 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00139908)
玉村 啓和 京都大学, 薬学研究科, 講師 (80217182)
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
1.従来のアルケン・イソスターの合成ルートで生じる不要な立体異性体を2-ビニルアジリジン誘導体に変換したのち、触媒量のパラジウム等の遷移金属を用いた異性化反応により、必要な立体異性体へ変換することに成功した。 2.アミノ基を有するアリルカルボナート、β-アシリジニル-α,β-不飽和エステル類に触媒量のパラジウム等の遷移金属を作用させても望みの立体化学を有するアジリジン体が高効率的に合成できることを明らかにした。 3.cis-およびtrans-β-アジリジニル-α,β-不飽和エステルについて非経験的分子軌道法を用いたエネルギ-計算を行い、(L,L)-型ジペプチドイソスターの鍵合成基質として必須のcis,(E)-型の立体化学を有するβ-アジリジニル-α,β-不飽和エステルが最も安定であることを明らかにした。また、この理論計算は実験結果とよく合致することも判明した。 4.β-アシリジニル-α,β-不飽和エステルのブレンステッド酸による位置及び立体選択的な開環反応を見い出し、上記のPd(0)-異性化反応と組み合わせることにより、(L,L)-,(L,D)-,(D,D)-,(D,L)型ジペプチドイソスターの完全立体制御合成プロセスを確立した。 5.従来トリプトファン、アスパラギン酸、システイン、およびグルタミン酸等を含むイソスターの合成は困難であったが、有機銅による還元反応とアルキル化を連続的に行う手法や亜鉛・銅複合系試薬を用いる新反応を見出し、これらアルケン・イソスター類の高効率合成を検討した。 6.イソスターの効果的なペプチドヘの組み込み方法についても検討を加え,前立腺ガンや小細胞性肺ガンに対する抗腫瘍活性が期待されるボンベシン・アンタゴニスト類の合成に成功するとともに、それらのアンタゴニスト活性が極めて高いことも明らかにした。
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