研究課題/領域番号 |
09557192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 広島大学 (1998) 東京大学 (1997) |
研究代表者 |
櫨木 修 広島大学, 医学部, 教授 (80142751)
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研究分担者 |
岡村 直樹 広島大学, 医学部, 助手 (30144827)
黒川 知則 広島大学, 医学部, 助教授 (00124793)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60212122)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
柴崎 正勝 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30112767)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | イノシトールリン脂質3キナーゼ / ワートマニン / G蛋白質 / チロシンキナーゼ / 相乗効果 / プロテインキナーゼB / 癌転移 / 阻害薬 / イノシトールリン脂質3-キナーゼ / ワ-トマニン |
研究概要 |
イノシトールリン脂質3キナーゼの強力な阻害薬であるワートマニンおよびその誘導体を利用することにより以下の研究成果をえた。 1. ワートマニンの放射標識体を合成、利用することにより、既知のものとは異なる分子量をもつ触媒サブユニットが存在することを観察した。解析の結果、この分子はすでにクローニングされていたβサブタイプと非常によく似た構造をもつことが判明した。詳細な性状解析の結果、この新規分子およびβサブタイプは、チロシンリン酸化ペプチドとGTP結合蛋白質の解離したβγサブユニットによって相乗的に活性化される点で、α、γサブタイプとは異なるユニークな性質をもつことが判明した。 2. 上述のβサブタイプに見られる相乗的調節はモデル細胞の他、脂肪細胞などの生理的細胞においても機能していることが観察された。この相乗的調節はプロテインキナーゼBの活性にまで及ぶものであった。これらの結果は今後イノシトールリン脂質3キナーゼの生理的な制御機構やサブタイプ間の機能分担を考える上で重要な知見と考えられる。 3. ワートマニンの新規の生理作用として、高転移性へパトーマ細胞の試験管内接着能・浸潤能を抑制する作用を発見した。このワートマニンの作用は、不活性型変異酵素を利用することでも再現できたことから、イノシトールリン脂質3キナーゼが癌細胞の転移能調節に機能していることが推測された。 4. ワートマニンの構造内のフラン環を失った誘導体のいくつかが阻害薬としての作用を発揮しうることを発見した。これらの誘導体はワートマニン自身と異なり酵素との共有結合性をもたないので、アフィニティクロマトグラフィーなどのリガンドとしての応用が期待される。
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