研究課題/領域番号 |
09557194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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研究分担者 |
堤 康央 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (50263306)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 癌免疫 / サイトカイン / 膜融合リポソーム |
研究概要 |
膜融合リポソームを用いた遺伝子導入による癌の遺伝子治療に関する検討を行い、以下の結論を得た。1) プラスミッドDNAを封入した膜融合リポソームは、非ウイルスベクターとして広く用いられているカチオニックリポソームのリポフェクチンと比較して、短時間での遺伝子導入、高い遺伝子発現効率、低い細胞傷害性および血清存在化でも遺伝子導入が可能といった特徴を有していた。これらの性質を反映して、in vivoの細胞への直接の遺伝子導入においては、膜融合リポソームはカチオニックリポソーム・DNA複合体と比較して、1,000倍以上の効率を示し、特にin vivo遺伝子治療のための優れたベクターであると考えられた。2) TNF-α遺伝子を封入した膜融合リポソームを腫瘍支配動脈内に投与したところ、投与部位の血管および腫瘍部位にTNF-αの発現が観察され、腫瘍の増殖は顕著に抑制された。これは腫瘍組織の上流の血管内皮細胞や腫瘍血管内皮細胞より絶えず分泌されるTNF-αによって抗腫瘍効果が観察されたことを示しており、固形癌に対するin vivo遺伝子治療において全く新しい方法論を提示できたものと考えられた。細胞質内遺伝子発現系として、はじめてT7遺伝子発現システムの構築に成功すると共に、本T7遺伝子発現システムが、確実に導入遺伝子が細胞質内で分解するという安全性を確保したうえで、非増殖性細胞でも効率よく、迅速に遺伝子発現させ得ることが判明した。以上の結果は、T7システムを用いることで、従来までの非ウイルスベクターに共通した導入遺伝子の核移行効率の乏しさを回避し得ることを示しており、安全かつ効率の良い遺伝子治療技術の確立に寄与するものと考えられる。
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