研究分担者 |
木村 徹 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (70204980)
藤原 洋一 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (60199396)
三本 勤 株式会社ジャパンエナジー, 医薬バイオ研究所, 研究員
赤路 健一 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (60142296)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1999年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1997年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
新しい作用HIVプロテアーゼ阻害剤の抗HIV薬としての導入は多剤併用療法における新たな展開をもたらしているが,薬剤の投与量,経済性,副作用,耐性,中枢神経系組織への移行性など解決しなければならない問題点が山積みである. このような問題点を克服するため,我々は,NMR構造解析並びに分子モデリング研究により得られたデータに基づいて,理想的な基質遷移状態ミミックであるヒドロキシメチルカルボニル(HMC)イソステアを含む小分子型のHIVプロテアーゼ阻害剤のデザインと合成を行った.小分子型かつ高活性の阻害剤はコストの点で有利であり,また耐性発現の問題においても,分子認識の考察に基づき,酵素との相互作用部位が少ない点から有利であると思われる.さらに低分子になることにより組織移行性がよく体内動態の点でも有利であり,少量投与が可能となると期待される.このことからHMCイソステアを含むジペプチド型阻害剤は多剤併用療法における次世代HIVプロテアーゼ阻害剤として有望である. またHIVプロテアーゼ阻害剤のO→Nアシル転位型プロドラッグは水溶性も向上し,バイオアベイラビリティーも良好であったので,この方法は将来実用化の可能性がある.さらに,ジペプチドHIVプロテアーゼ阻害剤と逆転写酵素阻害剤とのハイブリッド型抗HIV薬はプロドラッグとして細胞膜透過性に優れ,各酵素阻害成分がHIV増殖の異なるステップを阻害して相乗効果を持つことから新しいタイプの本格的な耐性克服エイズ治療薬として期待される.
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