研究課題/領域番号 |
09558057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石榑 顕吉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90010975)
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研究分担者 |
広石 大介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20199110)
浅井 圭介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60231859)
勝村 庸介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111466)
小野 昌一 株式会社 産業創造研究所, 研究員
逸見 幸雄 株式会社 東芝, 原子力技術研究所, 主幹
堂前 雅史 産業創造研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1997年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 軽水炉 / 水化学 / 亜鉛注入 / 腐食生成物 / 酸化被膜 / 応力腐食割れ / 水素注入 / 貴金属注入 / 不定比スピネル / クロムイオン / クロマイト / Co取り込み / 金属酸化皮膜 / 高温水系熱力学 / フェライト / 溶解度 |
研究概要 |
わが国の軽水炉プラントの水化学管理の状況を調査し、BWRにおける亜鉛注入と貴金属注入(NMCA)を取り上げて検討を行なった。 Znイオンは冷却系のステンレス鋼表面及び燃料棒表面でFe及びCrイオンと相互作用して、複合フェライト及び複合クロマイトを形成すること及びCoイオンは金属表面酸化被膜の外層(フェライト層)及び内層(クロマイト層)に取り込まれ、Znイオンは内層へのCo取り込みは有効に抑制するが、外層へのCo取り込みの抑制には必ずしも有効でないことを実験と解析により示した。 また亜鉛注入時にステンレス鋼の内層酸化物として形成される亜鉛クロマイトは熱力学的に安定であるため、極めて薄い被膜を形成してステンレス鋼の腐食を著しく抑制し、その結果としてCo取り込みを抑える効果があることを実験により明らかにした。 燃料棒の被覆管(ジルカロイ)表面では腐食生成物のクロム酸イオンがZrを酸化し、自らは非晶性の酸化物[3価Cr]として析出するが、Zn存在下では結晶性の亜鉛クロマイトを形成することを実験により明らかにした。このCrの析出は、燃料表面からのCo溶出に大きく関るが、燃料の予備酸化によって抑制されることを実験により示した。 BWRにおける水素注入の効率を上げる手法として考えられるPt化合物について、2価Ptのアンミン錯体と4価Ptのヘキサヒドロキソ錯体の水溶液の照射環境における化学挙動を明らかにした。2価Pt錯体は120〜150℃に加熱すると容易に還元されてPt金属粒子となるが、4価錯体は加熱のみによっては還元されずPt金属粒子は生成しないことを実験的に示した。照射環境においては、0_2が存在する場合、いずれの錯体も還元されず、H_2やアルコールなどの共存時に容易に還元されて、Pt金属微粒子を生成することが明らかとなった。この時生成する微粒子の粒径及びその触媒能は照射条件に大きく依存し、プラントでの注入においても放射線の効果が重要であることを明らかにした。
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