研究分担者 |
瀧田 朋広 東京タングステン株式会社, 研究開発部, 研究員
湯蓋 邦夫 (湯〓 邦夫) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00302208)
平岡 裕 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70228774)
柴山 環樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10241564)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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研究概要 |
核融合炉用高熱流束機器として必要な特性を最も多く備えているWの課題は,脆さ(低温脆化,再結晶脆化,照射脆化)の改善である。これらの3つの脆さを同時に大幅に改善するには,遷移金属炭化物粒子の粒界分散および結晶粒の微細化が最も有効であると考えられる。そこで,そのような組織を得るために,遊星型ボールミルを用いたメカニカルアロイング(MA)法と熱間等方加圧(HIP)法によりW合金の試作を行った。添加した遷移金属炭化物は周期律表IVa族のTiCとHfC,およびVa族のTaCとNbCである。試作したW合金について衝撃3点曲げ試験による低温靭性の評価,真空加熱における再結晶温度の評価,照射脆化を評価するための高速中性子照射実験と照射後試験,および照射前後と真空加熱前後における微細組織の観察を行った。その結果,TiCを添加した試作合金で最も特性が改善された。例えば,0.2%TiC添加材は市販の純WやW合金に比べて,延性脆性遷移温度が著しく低く(l00℃以上),再結晶温度が600℃も上昇した。0.5%TiC添加材では再結晶温度はさらに上昇した。また,Wの脆さの中で最大の課題である照射脆化の改善については,照射硬化の抑制だけでは改善は困難であること,照射中に起こる組織変化(照射誘起析出,照射促進析出)を活用して組織の中で最も弱い個所(weakest points : 粒界等)を強化する必要があること,ただしそれ自体が脆く破壊の起点として作用するW_2Cが照射中に析出しないような合金組成を選択することが必要であることが明らかになった。以上の結果は,本研究で用いた合金設計と組織制御の方法がWの3つの脆さを同時に大幅に改善するために極めて有効であることを示している。
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