研究分担者 |
久保 喜平 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40117619)
寺東 宏明 広島大学, 理学部, 助手 (00243543)
大山 義彦 広島大学, 理学部, 助教授 (30169081)
佐々本 一美 株式会社同仁化学研究所, 研究部長
佐々木 一美 (株)同仁化学研究所, 研究部長
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
脱塩基部位(AP site)は,最も普遍的なDNA損傷であり,生物の遺伝情報変異機構を解明する上で極めて重要な損傷である.本研究では、プローブ分子(ARP)を用いたAP siteの高感度定量法の確立とDNA修復研究への応用を行った. DNAの固相化に用いるプレートの検討では,従来のUV照射プレートに比べアミノプレートは約10倍のDNA結合能を有していること,さらに、プロタミンプレートでは固相化時間が短縮できることが明らかとなった。また,微量なAP siteを定量するために、スタンダードDNAを異なる濃度で固相化し,シグナルとの相関性を調べた結果,異なったDNA濃度で固相化しても測定値が比較可能であることが示された. 生存率に影響を与えない濃度のMMSで処理したRC355細胞のDNA中に生じるAP siteの定量を試みた結果,100%生存濃度(0.5mM)のMMS処理細胞のDNAにおいても,10^5ヌクレオチドあたり約0.5個のAP siteを検出した. hMPGの損傷に対する活性を,ARP法および従来の酵素プローブ法を用いて比較検討した.酵素活性の測定は,3-mA,7-mG,Hx,εAを含むDNAとhMPGを反応後,AP siteをARPを用いて直接的に,あるいは,Endo IV処理により鎖切断に変換して定量した.その結果,メチルプリン(3-mAおよび7-mGを含む)に対するhMPG活性は,他の基質に村する活性の約5倍高いことが明らかとなった. ARPの広範な応用を目指して基礎・応用研究を重ねた結果,本試薬は新製品としてDOJIN社より市販が開始され,その後,標準DNA及びDNA固相化プレートを組み合わせることによりキット化された.以上,本研究の結果,簡便かつ高感度なDNA損傷検出システムが確立され汎用されるに至った.
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