研究課題/領域番号 |
09558072
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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研究分担者 |
伊東 正博 長崎大学, 医学部, 助教授 (30184691)
関根 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (60039922)
難波 裕幸 長崎大学, 医学部, 助教授 (80237635)
松山 俊文 長崎大学, 医学部, 教授 (30165922)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 小児甲状腺がん / 放射性ヨード / 動物実験 / 放射線 / 動物モデル / 甲状腺がん / 内部被ばく |
研究概要 |
チェルノブイリ事故後に小児甲状腺がんの急増がみられた。その原因としてもっとも疑わしいのは、放射性ヨード、特に大量に大気中に放出されたヨード131と考えられている。すなわち放射性ヨードが、甲状腺内に取り込まれ内部被爆を起こしたためと推測されている。しかし、実際に、事故直後の甲状腺内に取り込まれた放射性ヨードによる被爆量がわからないため直接の原因としての科学的な証明が困難な状況である。臨床的には、ヨード131は、甲状腺の診断や治療に使用されており、そのために甲状腺がんの発症頻度が増えたというデータはない。このような事実から、放射性ヨードが本当に甲状腺がんの発症原因になりうるのか生物モデルを用いて検討を行った。低ヨード食ラット(3週齢)に、放射性ヨード131(0、0.2、0.6、1MBq)を腹腔内投与にて注入した。1、2,6,12ヶ月観察し甲状腺がんの発症を病理的に解析した。RI施設の放射性ヨードの一日使用量に上限があるため各群10匹(n=10)で実験を行わざるえなかった。その結果、今回の実験では、どの群においても甲状腺がんの発症は見とめらなかった。例数も少ないために、放射性ヨードが甲状腺がんの発症の原因にならないという結論を導き出すことは困難であった。また、今回はFisherラットを用いたが、種により発ガンの頻度に差があることも考えられ、他の種のラットの使用も考慮すべきであると考えられた。また、新生児期の被爆がチェルノブイリでも甲状腺発症に関与していると考えられるため、放射線被爆時の週齢もさらに幼若な時期のラットを用いることを考慮すべきであると推測された。
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