研究課題/領域番号 |
09558101
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中田 力 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50281720)
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研究分担者 |
塚本 鉄二 GE横河メディカルシステム株式会社, 技術開発センター, グループ長
木竜 徹 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80115021)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
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キーワード | ファンクショナルMRI / 磁気共鳴機能画像 / 電流密度画像 / 動画映像装置 |
研究概要 |
ファンクショナルMRI(fMRI)が既存の機能画像法より明らかに優れた点は、高度の空間分解能と同時に高度の時間分解能が期待できることである。しかし、残念ながら、既存のfMRIはその時間分解能を誇るまでには至っておらず、PET同様に状態解析state related analysisに止まっている。本研究は超高磁場装置の最適化により究極の時間分解能を有する機能画像の装置を開発することを目標としたものである。 この研究の施行はいくつか違ったカテゴリーでの成果を生み出した。(1)既存超高磁場装置の最適化、(2)縦形装置開発への基礎データーの提供、(3)高密度脳波による電流密度画像とfMRIの融合、などである。 fMRIを施行する超高磁場(3.0T)装置が、国際第一水準の装置に仕上がったことから、本研究はfMRI研究の各論においても、さまざまな業績を上げている。ヒトの「利き手」の生理学的定義を目標とした一連の実験の中ではヒト運動前野premotor cortexに対側の手の運動時に同側のM1領域の活動を抑制する部位no motion areaがあること、片麻痺患者での検索において健側を用いるmotor reorganizationが「利き手」によって異なることを付きとめた。統合的高次機能解析を目標とした一連の研究では、3次元環境に対する応答がintraparietal sulcusに隣接する皮質で行われ、かつ右半球に優位性があること、分裂病患者ではdorsolateral frontal lobeのworking memoryによる賦活に優位のばらつきが見られることなどを見出している。国際学術研究助成と連動した読字機能の解析では「読む」行為における脳機能分布が民族学的背景に依存せず、最初に学習された言語に依存することを突き止め、聴覚障害者における読字機能のfunctional reorganizationの機構解明を図っている。 高密度脳波による電流密度画像は256 channelの脳波計の開発から開始された。これは本研究の過程においてfMRIの時間分解能が理論上real timeに届くことがありえないと結論されたことから、fMRIと連動させることによりその時間分解能を補うことを目的として始められたものである。MRI装置内での32 channelの脳波測定装置の開発と256 channel装置との融合に成功を収め、現在、independent component analysisを中心とした機能画像解析を開始している。
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