研究課題/領域番号 |
09558103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大森 治紀 京都大学, 医学研究科, 教授 (30126015)
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研究分担者 |
古谷野 好 京都大学, 医学研究科, 講師 (50183041)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 神経回路 / Electroporation / シナプス / 分子量 / 巨大分子 / 電圧パルス / Electro poration / エレクトロポレーション / 細胞内注入 / 神経細胞 / 細胞膜 |
研究概要 |
本研研究はDNAを始めとする巨大分子を特定の神経細胞内に安全に且つ効率的に導入する方法を開発する目的で進めたのであるが、最大10kまでの分子量の分子を導入できたにとどまり、DNAの導入法を開発するには至らなかった。しかし本法こよって神経回路の機能を脳切片標本を用いて解析するに際しての大きな問題を解決する手法は提供できたと考える。すなわち、脳切片標本では神経細胞間のシナプス結合が多くの場合切れており、実際の機能的な実験操作を行う前に標的となるシナプス結合を探ることに多くの時間を費やさざるを得ない。こうした問題の一つの解決法として神経細胞を染色し軸索の伸展を例えば蛍光画像として観察でき、その軸索方向に沿った刺激を与える事ができれば、非常に高い確率で対応するシナプス後細胞を特定でき、実験の効率を飛躍的に向上できると考えられる。今回開発したmicro-electroporationを使うことで、3k-10k程度の分子量の分子までは電圧パルスによって安定して神経細胞に導入することができ、しかも神経細胞は導入後数時間から最大翌日まで生き延びることが確認できた。しかし、一方では前もって神経細胞内に充填したfura-2などの分子量1k程度の蛍光色素はmicro-electroporationの電圧パルスによって消失することも解り、電圧パルスは細胞膜にかなり大きな穴を開け細胞膜内外での物質の流れを引き起こしていることも明らかになった。電圧パルスによって流出する細胞内成分は多数に上ると見られ、micro-electroporationを実験使用する際には、回復のために時間をかける必要がある。こうした流失した物質がどの程度の時間経過で再生されるかは興味のあるところであるが、今回この時間経過を明らかにするには至らなかった。
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