配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
(1)粘液を利用して体内で生体組織と直接接触することなく医療機器を推進させる機構を開発した.斜め方向にリブを加工した円筒をマイクロモーターで回転させて流体力学的に推進力を発生させることが出来た.数値解析と実験によりインペラーとリブの最適形状を決定することができ,また推進力の大きさと限界を明らかにすることができた. (2)生体管を模擬したビニール管内で機器を推進させて推進力と抵抗力の関係を明らかにした.さらに管の曲がりと分岐部での推進特性を調べた. (3)インペラーを超弾性ワイヤに取りつけてイヌの消化管内で推進させる実験を行った.口腔から順行性い推進した場合には十二指腸まで,肛門から逆行性の推進をした場合には上行結腸まで消化管を傷つけることなく容易に誘導することが出来た. (4)医療用マイクロロボットを製作し,透明な管の内部で移動させて推進力と速度を計測した.また推進に及ぼす屈曲,分岐,内径変化の影響を明らかにした. (5)粘液が不足する場合には人工粘液として麦芽糖,オリゴ糖,蜂蜜などの水溶液を供給することによって必要な推進力を維持することが出来た. (6)機器と生体組織のすきまを粘性流体で満たして振動を与えることにより摩擦を減少させる機構を明らかにした.これを利用して機器の挿入抵抗を減少させることができた.また,振動と往復運動を組み合わせて機器を自力で推進させることに成功した. (7)能動内視鏡や能動カテーテルではスペースの関係で先端部の動きが1自由度にとどまるが,磁力を外部から加えることを試みた.電磁石の電流量を制御することにより,屈曲部や分岐部で体外から機器を誘導する技術を開発した.
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