研究課題/領域番号 |
09558121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
大串 始 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80213669)
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研究分担者 |
太田 知裕 帝人株式会社, 生物医学総合研究所, 主任研究員
吉川 隆章 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90275347)
土肥 祥子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50155628)
吉成 宏己 (吉成 宏巳) 帝京大学, 理工学部, 助手 (80220698)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1997年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 骨髄 / 免疫抑制剤 / 骨形成 / セラミック / セラミックス / 骨髄細胞 / 同種移植 |
研究概要 |
本研究計画の目的は同種の骨髄細胞の骨形成細胞への分化をセラミックを用いて試みることにあった。そのために、同系ならびに同種の骨髄とセラミックの複合体を作製しその骨形成能を判定した。この研究計画期間内に次のようなことが判明した。 同系骨髄では加齢とともに骨形成能が低下し、さらにこの骨形成はセラミック表面より生じた。同系ならびに同種新鮮骨髄とセラミックの複合体を移植後経時的に摘出し、Bone Gla Protein(BGP)とアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定した。またRNAを抽出し、BGP,ALPのDNA probeを用い、Northern blottingをおこなった。また、組織的検索もおこなった。これらの結果より免疫抑制剤存在の下では、たとえmajor mismatchの同種移植でも、セラミック内に明らかな骨形成を生じ、さらに高いALP活性とBGP濃度を呈した。さらにNorthern blottingでもこれらALPとBGPのシグナルが検出できた。 以上のように、新鮮同種細胞とセラミックの複合体移植でも効率よく新生骨形成を生じることが判明したので、同種のラット骨髄細胞を培養して、血球系へ分化する細胞をのぞいたいわゆる間葉系幹細胞を増殖し、さらにin vitroで骨芽細部へ分化させた。このin vitroでの骨芽細胞への分化はALPやOsteocalsinの遺伝子発現定量によりおこなった。この骨芽細胞を含む同種の間葉系幹細胞をラット皮下へ移植して、in vivoすなわち生体内での骨形成実験を試みた。結果は培養細胞をしようしても、やはり免疫抑制剤の投与なしには骨形成はおこらなかった。しかし、免疫抑制剤の投与により、新生骨形成を生じ、しかも生化学的にも骨形成能を確認した。 以上より、適切な免疫抑制剤の使用により、新鮮のみならず培養骨髄細胞でも新生骨形成能を有することが明らかになり、将来種々の原因により骨形成能の低下した患者に骨形成能の活発な同種の骨髄細胞を用いられる可能性が判明し、種々の骨関節疾患に悩む患者の新たな治療として応用されると思われる。
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