研究課題/領域番号 |
09559001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊福部 達 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70002102)
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研究分担者 |
禰寝 義人 日立中央研究所, 研究員
和田 親宗 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50281837)
上見 憲弘 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70280857)
井野 秀一 北海道大学, 電子科学研究所, 講師 (70250511)
松島 純一 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (60173829)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1997年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | ディジタル補聴器 / 老人性難聴 / 話速変換 / 抑揚強調 / ピッチゆらぎ / 1 / fゆらぎ / ウェーブレット変換 / 音声合成 / イントネーション / 難聴 / 高齢者 / 範疇的知覚 / 波形ゆらぎ |
研究概要 |
本課題の目的は、老人性難聴の補助を目的として、話速・抑揚変換機能のついたディジタル補聴器を開発することである。研究成果は下記の通りである。 1. 話速変換機能を備えたディジタル補聴器を開発し、その評価を行ったところ、話速を1.5倍に遅くすることにより、単語の誤認識率が約1/3に減少することを確かめた。その結果を踏まえて、ポケットに入る程の極めて小さい話速変換型ディジタル補聴器を実用化した。 2. 老人性難聴者を対象にして抑揚の弁別特性を調べたところ、健常者に比べて弁別能力は遥かに劣ることを確認した。そこで、抑揚を強調する処理を施したところ、全員の被験者で単語認識率の改善が見られた。このことから抑揚強調機能をディジタル補聴器に組み込むことの有用性が示された。とくに、四声などの抑揚が極めて重要な中国語音声に適用することによる効果が推察された。 3. 抑揚の小さな変化であるピッチゆらぎに着目し、そのゆらぎの性質を調べたところ、いわゆる1/fゆらぎになっていることを突き止め、1/fゆらぎをディジタル補聴器に人工的に付加することの有用性を見いだした。さらに、抑揚の制御にウェーブレット変換処理が有効であることを明らかにし、その処理アルゴリズムをDSPに移植した。 本課題を通じ、当初の目的である実用化にまでは至らなかったが、1/fゆらぎの重要性やウェブレット変換処理の有用性を明確にしたことで、将来の老人性難聴者のためのディジタル補聴器の設計に方向性を与えることができた。
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