配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1997年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
|
研究概要 |
(1)海綿骨内の超音波伝搬現象の解明. 海綿骨の骨梁は複雑な多孔性構造であるが,骨梁はほぼ一方向に揃った配列である.この海綿骨内では音速の異なる2種類の縦波(高速波,低速波)が存在することを明らかにし,この特異波動現象を詳細に解明した. 本研究における理論解析と実験的検討の結果,高速波と低速波の各々の伝搬速度と減衰値の周波数特性を解析することにより海綿骨の骨密度と微視的な骨梁構造の推定できることが明らかとなった.さらに骨粗鬆症初期の骨量と骨梁構造の変化を検出できることが明らかとなった. (2)超音波による骨強度評価の新方式の確立. 海綿骨内を伝搬する2種類の縦波の存在は海綿骨に固有の特異現象であるが,この現象は海綿骨内部構造の反映である.2種類の縦波(高速波と低速波)の伝達関数を測定し,実測した伝達関数と伝搬速度を用いて海綿骨の密度と弾性定数を非侵襲的に計測する手法を開発した.骨密度と弾性定数を用いて骨強度を推定し,骨強度を数値化することが可能となった.この数値化には多数の試料および被験者によるデータの収集と分析による指標の決定が必要である. (3)広分解能,広帯域超音波変換器の開発. 本研究の手法を実現するためのkey deviceは超音波変換器である.超音波変換器のインパルス応答の理論解析,設計手法,製造法,校正手法を確立した. (4)本研究の今後の展開. 本研究の成果の実現化を進めるには多数の臨床データを収集し解析を行って骨強度の実用指数を決定すると同時に,骨密度と骨強度の2次元または3次元画像表示が必要である.この次の段階の研究プロジェクトは文部省科学研究費補助金「地域連携推進研究」(平成11年度〜平成13年度)により展開を行っている.
|