研究課題/領域番号 |
09610008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 侃 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60065878)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 新現象学 / ヘルマン・シュミッツ / 雰囲気 / 感性 / ムード(気分) / 集合心性 / エミール・デュルケーム / 社会学 / 現象学 / 新しい現象学 / 社会史 / 「新しい現象学」 / 集合表象 / シュミッツ / 身体 / 感情 / 「気」 |
研究概要 |
本研究は現象学研究の新しい動向であるシュミッツの「新しい現象学」つまり、「身体と感情の現象学」を踏まえつつ、他方において近年ますます豊かな展開を遂げている社会の集合心性論を深く哲学的に究明しなおして、この両者を独自の仕方で統合することを目的としていた。 初年度においては、シュミッツを中心とする「新しい現象学」の身体・感情・雰囲気の概念を再検討し、意識のシュミッツ的な意味を明らかにした。身体と結合した意識の概念は、集合心性の現象学的研究の体系化に資するところ多くあり、雰囲気と感情とは同じものであり、それらは社会的には集合心性といいうるものだということが明らかになった。端的な知覚の思想から感情と雰囲気の超主観的な存在次元への問いを先鋭化した。集合心性、集合意識の概念を具体化して雰囲気として捉えた。 第二年度においては、1)フッサールの共同主観や主観性の理論、さらに最近の人類学的歴史学や社会構造史の成果を具体的に検討し、集合心性の概念を洗い直し、集合心性の現象学理論の体系化を企てた。現象学的哲学という専門分野を越え出て、むしろ社会学、民族学の集合心性の概念をも探究した。 2)諸科学に分有されている集合心性理論を全体として可能にしている概念が新現象学的ないみをもつと言うことを雰囲気と身体のモデルによって明らかにした。 3)初年度の研究の成果にもとづいて、集合心性の現象学の具体的な体系化を企てた。それは、集合心性が雰囲気としても、人間の世界における住み込み方としても明らかになった。ハイデッガーのBauen,Wohnen,Denken"なども考慮して雰囲気が家や住まいのなかに満ちあふれており、また、町の形成の仕方などにも表現されていることが示された。またデュルケームの宗教学的な研究をも考慮して、そこに見い出される社会の全体性の理論が実は集合心性論になるということが明らかにされた。
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