研究課題/領域番号 |
09610020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
印度哲学(含仏教学)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
和田 壽弘 名古屋大学, 文学部, 教授 (00201260)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Mathuranatha / Rahasya / vyapti / Gangesa / Tattvacintamani / 遍充 / 論理的必然関係 / Navya-nyaya / Mathura natha / Kahasya / vypti / Tatteva cintamani |
研究概要 |
マトゥラーナータ『タットヴァ・チンターマニ・ラハスヤ』「論理的必然関係章:ライオンとトラの定義」をほぼ等しい量に3分割し、本年度はその第3部分(「トラ」と呼ばれる人物による論理的必然関係の定義の非妥当性を扱った部分)のサンスクリットテキスト校訂、英訳、図式を用いての分析を終えた。この成果は、1本の学術論文として完成され、さらにもう1本が現在投稿中で初校を終えた段階である。これをもって本研究で予定された「論理的必然関係章:ライオンとトラの定義」に関する作業が、電子テキスト作成以外はすべて完了したこととなる。 本研究によって得られた知見は次の2点に要約できる。(1)ガンゲーシャの『タットヴァ・チンターマニ』「論理的必然関係章:ライオンとトラの定義」を、マトゥラーナータは、「基体(adhikarana)」「反存在(pratiyogin)」「制限者(avacchedaka)」など、関係に関わる概念によって解決した。これによって、新論理学の目標は世界の構造あるいは様々な概念を関係によって分析することにある、という本研究者が従来から主張している仮説を裏付けることができた。(2)新論理学における分析の基本的単位は、ダルマ(保持されるもの)とダルミン(保持されるものを有するもの)という一対の概念であることも明らかにできた。それは、新論理学の分析結果が、その概念を基本単位とする図によって描かれうることが本研究によって示されたからである。この一対の概念の重要性は、新論理学を越えて、ダルマとダルミンの存在論的区別をなくそうとする「インド的唯名論」の立場に立つヴァーダーンタ学派などの研究にも有効であると思われる。
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