• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

サカ・クシャン時代のマトゥラーの経済と宗教事情

研究課題

研究課題/領域番号 09610022
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 印度哲学(含仏教学)
研究機関立正大学

研究代表者

高橋 堯英  立正大学, 仏教学部, 助教授 (00250035)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードサカ / クシャン朝 / マトゥラー / 仏教 / ナーガ信仰 / ヤクシャ信仰 / ギルド / 通商路 / セクシャ信仰 / マトゥラ- / ジャイナ教 / ナ-ガ信仰
研究概要

マトゥラーという都市は、豊かなガンジス川流域地帯の西の端に位置し、西アジア世界などへの窓口であった西北インドとの接点であったと共に、西方の文化圏への窓口であった幾つかの海港都市を有した西インド世界との接点であった。更に、この都市は、インド亜大陸の中央部や南インドへの繋がる通商路の北の要であり、そこから西北インド、北インド、東インドなどの他地域への重要な中継点であった。広大な地域の東部、西部、南部、北部に異なった文化が栄えた古代インド世界に於いて、この都市は、謂わば総ての世界への扉であったといえ、サカ=クシャン朝に至るまでに、マトゥラーは、インド亜大陸をカバーする総ての通商路のクロス・ロードとなり、それと共にその政治的・経済的重要性が増していったのであった。この政治的重要性の増大と通商の発展がマトゥラーにおける経済繁栄を可能ならしめたと考えられる。マトゥラー市とその周辺地域には、ジャイナ教、バラモン教、クリシュナ信仰、ナーガ信仰やヤクシャ・ヤクシニー信仰などのスポットが偏在し、「宗教の坩堝」的な環境が存在していたが、このような宗教的繁栄の背後には、シュレーシュティンと呼ばれた大商人の資産家たちやサールタヴァーハと呼ばれた隊商の長たちによる活発な経済活動が存在した。仏教碑文をはじめとするこの都市とその周辺地域から発見されている碑文には、「外套製造業者」「金細工師」「鍛冶屋」「材木商」等々の組合の存在がうたわれている。また、富裕な資産家がこのような組合にその資産を信託投資し、組合がその資産を運用して得られた利子配当をその資産者が関係する特定の宗教施設に寄付するというシステムが存在していたことが述べられており、この宗教都市を支えた経済繁栄の姿を垣間見ることが出来るが、より具体的に‘マトゥラーの姿'を再構築するには、碑文資料や彫刻などの遺物資科の更なる発見が待ち望まれている。

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高橋, 尭英: "「クシャン朝下のマトゥラーにおける宗教事情に関する一考察」" 『印度学仏教学研究』. 46巻1号. 159-163 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takahide, Takahashi: "A Study of Religious Condition in Mathura under the Kusanas" Journal of Indian and Buddhist Studies. Vol.46-1. 159-163 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 高橋,尭英: "クシャン朝下のマトゥラ-における宗教事情に関する-考察" 印度学仏教学研究. 46巻1号. 159-163 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi