• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

生月のカクレキリシタンと土着信仰の融合に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610034
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 宗教学
研究機関長崎純心大学

研究代表者

宮崎 賢太郎  長崎純心大学, 人文学部, 教授 (60157625)

研究期間 (年度) 1997 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードカクレキリシタン / キリスト教 / 民俗信仰 / 受容と変容 / 土着 / ケガレ / タタリ / タブー / 土着化 / 死霊 / 不浄 / 神観念 / 民俗宗教 / 宗教複合 / カトリック / 死霊様 / 水神様
研究概要

本調査研究は長崎県下のみ残存する、いわゆるカクレキリシタンの現在における信仰の本質を明らかにすることにあった。いまだにカクレキリシタンといえば「隠れてひそかにキリスト教信仰を守りつづけている人々」という、実態から乖離し、誤ったステレオタイプ的な認識しかなされていないのが現状である。カクレキリシタンとは仏教や神道を隠れ蓑とし、一神教としてのキリスト教を守り続けているのでは決してないのである。このような信仰のあり方は明治時代以降における変化ではなく、実はキリスト教伝来当初よりみられたものではないかと思われる。16,7世紀の日本におけるキリシタンへの改宗(受容)は、一神教への回心ではなく、伝統的な仏教や神道や民俗信仰の上にさらに新たな南蛮渡りのキリシタン的要素を付け加えただけではなかったのか。
日本におけるキリスト教の受容と土着化というテーマを実証的に明らかにしていくために、現存するカクレキリシタンの信仰の姿を調査した結論は、すくなくとも現在のカクレキリシタンは完全に日本の民俗信仰と混融し、重層信仰、現世利益、祖先崇拝、儀礼主義的な特徴を有する、まさに典型的な日本の民俗宗教のひとつであるということである。
生月島は殉教者や海岸に流れ着いた寄り人など、不遇の死を遂げた者や、祀られることのない死者の霊を供養する死霊様が多数存在する。このことはタタリを強く恐れていることを示している。典型的なタタル霊としての死霊様のほかにも、島内には無数の祠が存在する。また黒不浄よりも赤不浄を強く嫌うのもこのタタリを避けるためであり、異常とも思えるタブーの数々は、その多くがタタリを引き起こさないようにケガレを避けようとするためのものである。いまだにカクレキリシタンを止められない本当の理由もタタリを恐れてのことである。

報告書

(5件)
  • 2001 研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (17件)

  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "生月島の宗教遺跡と信仰対象"生月地域文化研究. II. 45-85 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "カクレキリシタン研究の問題点と課題"ノートルダム清心女子大学 キリスト教文化研究所年報. 20. 114-134 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "カクレキリシタンと神道儀礼-生月山田の初田様の行事について"生月地域文化研究. I. 3-10 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "現代カクレキリシタン信仰の土着と変容"UP. 295. (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "カクレキリシタン-魂の通奏低音"長崎新聞社. 293 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "長崎県のカクレキリシタン-長崎県カクレキリシタン習俗調査事業報告書-"長崎県教育委員会. 270 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kentaro MIYAZAKI: "Religious Ruins and the objects of Faith in lkitsuki lsland"Ikitsuki Area Studies II, Nagasaki Junshin Catholic, University. 45-85 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kentaro MIYAZAKI: "Some problems and Future Themes of the Study of Kakure-Kirishitan"Bulletin of Research of Christian Culture No. 20, Notre Dame Seishin University. 114-134 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kentaro MIYAZAKI: "The Acceptance of Christianity in japan and its Understanding"NICHIBUNKEN-SOUSHO 17, International Research Center for japanese Studies. 169-212 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kentaro MIYAZAKI: "Kakure-Kirishitan and Shinto Rite"Ikitsuki Area Studies I, Nagasaki Junshin Catholic, University. 3-10 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kentaro MIYAZAKI: "Kakure-Kirishitan in modern Nagasaki Prefecture"Nagasaki Prefecture Cultural Assets research Paper No.153, The Board of Education of Nagasaki Prefecture. 290 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kentaro MIYAZAKI: "Kakure-Kirishitan"Nagasaki Press.. 295 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "生月島の宗教遺跡と信仰対象"生月地域文化研究II. 2. 45-85 (1995)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 宮崎 賢太郎: "日本人のキリスト教受容とその理解" 日本人はキリスト教をどのように受容したか. 日文研叢書. 169-212 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 宮崎 賢太郎: "平戸カクレキリシタンの信仰とその現状" 平戸市史民俗編. 201-253 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 宮崎 賢太郎: "長崎のカクレキリシタン,五島のカクレキリシタン 他" 長崎県カクレキリシタン習俗調査事業報告書. 長崎県文化財調査報告書. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 宮崎賢太郎: "カクレキリシタン研究の問題点と課題" ノートルダム清心女子大学キリスト教文化研究所年報XX. 20号. 114-134 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi