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B.スメタナの音楽と思想-「チェコ国民楽派」の視座から-

研究課題

研究課題/領域番号 09610051
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学(含芸術諸学)
研究機関鳥取大学

研究代表者

内藤 久子  鳥取大学, 教育学部, 助教授 (60263456)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード民族主義の音楽 / チェコ国民楽派 / B.スメタナ / 標題音楽 / 連作交響詩《我が祖国》 / モダニズム(近代主義) / 民族復興 / 新ロマン主義 / 民族主義 / モダニズム / リアリズム / チェコ国民音楽 / フォークロリズム / 国民楽派 / 交響詩 / スメタナの美学思想 / ホスチンスキーの美学
研究概要

本研究は、19世紀チェコの作曲家B・スメタナの音楽と思想について、それを「国民楽派」の視座から再考したものである。ここではとくに、19世紀、西洋音楽の発展における「民族主義」の実現として、スメタナの「交響詩」の美的諸相に焦点をおいて洞察し、さらに「受容」の観点からも彼の理念を追求していった。標題音楽のカテゴリーに属する交響詩は、音楽外的理念に基礎をなすものとして、F・リストによって開拓されたジャンルであり、それはまた、音楽における「ナショナリズム(民族主義)」の現象とほぼ同時代に生起した方向として理解される。そして、「チェコ国民楽派」の創始者と称されるスメタナは、(従来の)フォークロリズムの音楽に基づく保守的な民族主義に対し、寧ろプラハの美学思想の影響のもとに、より具象的な標題音楽を掲げて西欧の「新ロマン主義」をめざしたのであった。同研究は、そうしたスメタナの「交響詩」の中から最も著名な《我が祖国》(1874-79)に注目し、その美的諸相(美質)について深く洞察したものといえる。本研究で得た新たな知見は以下の通りである。1.スメタナは(同作品の中で)、何よりも「民族復興」の理念に基づいて、チェコ古代の神話・伝説・中世フスの宗教改革といったチェコ民族の栄光の歴史を「象徴的に音楽化」することにより、また国民的生活や自然を描写することによって、いわゆる詩的で理想的な音楽を追求していったと見ることができる。2.即ち、ボヘミア地方の伝統的音楽を、スメタナは「詩と音楽の統合」という、当時ヨーロッパの進歩的な思想の中へと象徴的に融和することによって19世紀のチェコにより相応しい「近代的な国民音楽」を創作しようとしたのである。そして、3.このジャンルにおけるスメタナの貢献を考えるなら、それは、音楽を通して「民族主義」と「モダニズム(近代主義)」の理念の融合をいかに成し遂げたのかを明らかにした点にあったと考えられる。本研究の成果は、「スメタナ『交響詩』の美学:19世紀における『民族主義』の実現」と題して美学会誌『美学』に投稿中である。

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 内藤久子: "20世紀前半のチェコにおける「国民楽派」の受容-スメタナ-ドヴォジャーグ評価と「チェコ国民音楽」の概念-" 日本音楽学会誌『音楽学』. 第43巻第2号. 99-112 (1998)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 内藤久子: "民俗主義のオペラ-ヤナーチェクの〈イェヌーファ〉にみる‘モラヴィズム'の諸相-" 民族芸術学会誌『民族芸術』. 第14号. 182-189 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 内藤久子: "音文化にみる「伝統」の諸相-中世からバロック期における〈チェコ・カンツィオナール(聖歌)〉の展開-" 鳥取大学教育学部研究報告(人文・社会). 第49巻第1号. 183-204 (1998)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisako NAITO: "The Receptive Aspects of the 'Czech National School' in the Czech nation during the First Half of the 20th Century : A Way of Evaluating Smetana-Dvorak and the Concept of 'Czech National Music'" The Journal of the Musicological Society of Japan 'ONGAKUGAKU'. Vol.XLIII (2). 99-112 (1998)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisako NAITO: "Folklorism in Opera : Aspects of 'Mora-vism' in Janacek's Opera "Jenufa"" The Journal of the ETHNO-ARTS 'ETHNO-ARTS'. Vol.14. 182-189 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hisako NAITO: "The Aspects of 'Tradition' in Musical Culture : Historical Development of the 'Czech Kancio-nal (Cancional)' from the Middle Ages to the Baroque Era." The Journal of the Faculty of Education Tottori University Cultural and Social Science. Vol.49 No.1. 183-204 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 内藤久子: "20世紀前半のチェコにおける「国民楽派」の受容-スメタナ・ドヴォジャーク評価と「チェコ国民音楽」の概念-" 日本音楽学会誌音楽学. 第43巻第2号. 99-112 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 内藤久子: "民族主義のオペラ-ヤナーチェクの<イェヌーファ>にみる'モラヴィズム'の諸相-" 民族芸術学会誌民族芸術. 第14号. 182-189 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 内藤久子: "音文化にみる「伝統」の諸相-中世からバロック期における<チェコ・カンツィオナール(聖歌)>の展開-" 鳥取大学教育学部研究報告(人文・社会). 第49巻第1号. 183-204 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 内藤久子: "20世紀前半のチェコにおける「国民楽派」の受容-スメタナ-ドヴォジャーク評価と「チェコ国民音楽」の概念" 日本音楽学会誌『音楽学』. 第43巻第2号(印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 内藤久子: "民俗主義のオペラ-ヤナ-チェクの〈イェヌ-ファ〉にみる‘モラヴィズム'の諸相" 民族藝術学会誌『民族藝術』. 第14号(印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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