研究課題/領域番号 |
09610057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
信太 司 (1999) 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 助手 (10272650)
水野 敬三郎 (1997-1998) 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (50015228)
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研究分担者 |
稲葉 政満 東京芸術大学, 美術研究科, 助教授 (50135183)
山崎 隆之 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (60015279)
長澤 市郎 東京芸術大学, 美術研究科, 教授 (40172522)
信太 司 東京芸術大学大学院, 美術研究科, 助手 (10272650)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 塑像 / 仏像 / 十二神将 / X線透過写真 / 心木構造 / イメージング・プレート / 画像処理 |
研究概要 |
塑像のX線撮影は木彫像や乾漆像に比べて難度が高く、その心木構造についての研究は立ち遅れている。当研究グループでは新薬師寺十二神将像の心木構造を明らかにすることで、この分野の研究を推進したいと考えた。既に、当研究グループでは十二神将全像のX線写真撮影は終了しており、本研究ではその全てについて構造情報を解読しながら図化し、各像の心木構造の推定図を作成することを目的とした。その際に目視による読みとりが困難な箇所について、画像処理ソフトを用いた簡便な画像の鮮明化を行うことの有効性についても検討した。 十二神将全像のX線写真約200枚からの図化作業を開始し、画像処理によるフィルム画像の鮮明化を行う為にX線フィルムのデジタルデータ化を外部委託した結果、そのデジタルデータを市販の画像処理ソフトで簡易に処理するのみで、多くの箇所について細かい構造が読みとれるようになり作業は大幅に進展した。コントラストの不足するX線画像の読みとりに画像処理は大変有効であることが実証された。しかしながら、胸部などの厚い箇所では十分な可視化は出来なかったので、再度のX線撮影を行った。このときの撮影は、感度が高くラチチュードが広いことで知られるイメージングプレートを使用したので、大変良い元画像を取得する事が出来た。この新しく得られたデータについても画像処理を行い、この結果をもとに画面の改定作業を行った。また、全身のX線画像とするためにコンピュータ上での画像の張り合わせ作業を行い、等身大に近いフィルム出力を行った。 以上の結果をもとに塑像の制作技法に関する考察を行った。本研究では、十二神将像の内部構造をかなりの程度に明確にすることができた。天平塑像のすぐれた表現を支える発達した塑造技法がそこにうかがわれる。天平の塑造技報を研究する上で大きな意義を有すると考えている。
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