研究課題/領域番号 |
09610063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
荒木 成子 清泉女子大学, 文学部, 教授 (60112744)
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研究分担者 |
高野 禎子 清泉女子大学, 文学部, 助教授 (10179468)
保井 亜弓 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 助教授 (30275086)
田中 久美子 東京芸術大学, 美術学部・芸術学科, 助手 (70222114)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 叙述性 / 北方美術 / 中世 / ルネサンス |
研究概要 |
北方美術の基本研究であるパノフスキーの『初期ネーデルラント絵画』が1963年に刊行されて以来、欧米諸国では、15、16世紀の北方ヨーロッパ絵画研究はますます専門化して精密なものとなり、主要な芸術や個別のテーマを取り上げた詳細な研究が相次いでいる。こうした状況を反映して、我が国でも北方絵画研究への関心が高まり、個別的なテーマに関する見解が数々提出されてきたものの、個人研究の範囲では、研究分野を狭く限定せざるを得なかった。本研究会は、北方美術において、領域、メディアを異にする研究者が集まり、多角的な観点から北方美術の特性を考察すると同時に、その地域性も明らかしてゆこうとする、遠近ふたつのパースペクティブから北方美術の総合的研究を目指すものであった。その際、異なる領域、異なるメディアを通底する北方美術の特性として、「叙述性」に着目し、これをキーワードとした。その結果、各人の研究テーマが「叙述性」を核として浮かび上がるとともに、ネーデルラント、フランス、ドイツ、イギリスの各地域間の、また、写本、版画、ステンドグラス、板絵など異なるメディア間の相互関連がある程度明らかになったと思われる。加えて、最終年度には、ロマネスク美術を専門にする研究者が加わり、15,16世紀北方の問題をより広い視野から、中世という大きな時代の流れの中に位置づけて考察することが可能になった。なお、本研究会によって得られた各人(研究協力者も含む)の研究成果は論文として報告書にまとめる予定である。 また、この三年間に国内では入手することの困難な文献資料、スライド、写真資料を、研究分担者の専門領域を中心に収集、整理を行なってきたが、今後の研究の貴重な基礎資料として活用できるものと期待される。
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