• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

絶対音感保有者の音楽的音高認知過程

研究課題

研究課題/領域番号 09610073
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 実験系心理学
研究機関新潟大学

研究代表者

宮崎 謙一  新潟大学, 人文学部, 教授 (90133579)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード絶対音感 / 音楽的音高 / 相対音感 / メロディ認知 / 調性 / 音楽知覚 / 音楽経験 / 音楽能力
研究概要

絶対音感は、単独に提示された音の音楽的音名を他の音を基準として比較することなしに答えることができる能力であるが、このような能力をこどもの頃に獲得すると、音高関係を処理する能力が十分に発達しないままにすぎてしまうという可能性がある。そこで、絶対音感保有者と非保有者のメロディの比較再認課題の遂行成績を比較する実験を、日本とポーランドの音楽専攻学生を被験者にして行った。
被験者に、標準メロディをハ長調で記譜された楽譜の形で提示し、比較メロディを3通りの異なる調で聴覚的に提示して、これらが同じか違うかという再認判断を求めた。その結果、絶対音感を持たない被験者は、相対音高情報を用いることによって、比較メロディがどの調性で出された場合でも同じような正確さで判断することができた。これに対して絶対音感を持つ被験者は、楽譜のメロディと聴覚的メロディの調が一致する条件では高い正答率を示したが、不一致の条件では判断が不正確になった。日本とポーランドの音楽学生は基本的には同様の傾向を示した。ただ不一致条件で絶対音感保有者が成績の低下を示す傾向は、ポーランドの被験者よりも日本の被験者で顕著に見られた。また絶対音感を持たない被験者ではポーランドの学生の方が日本の学生よりも全体に高い成績を示した。以上の結果から、絶対音感保有者が音楽的高さを相対的にとらえる聞き方が弱いという傾向は、日本の音楽学生により顕著に見られるものであると言える。
この実験の結果から、絶対音感保有者が、音楽的音高を調性の枠組みの中で聞こうとせずに絶対的に聞こうとする傾向があることが示されたが、今後このような認知処理のしかたの詳細を、処理の自動化の観点から検討していく予定である。

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 宮崎謙一: "MacintoshとHyperCardを用いた音楽知覚・認知のための実験システム" 音楽知覚認知研究. 4・2. 31-42 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "A System for Experiments on Music Perception and Cognition using Apple Macintosh and HyperCard" Journal of Music Perception and Cognition. 4 (2). 31-42 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮崎謙一: "MacintoshとHyperCardを用いた音楽知覚・認知のための実験システム" 音楽知覚認知研究. 4・2. 31-42 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

URL: 

公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi