研究課題/領域番号 |
09610078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
桑野 園子 大阪大学, 人間科学部, 教授 (00030015)
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研究分担者 |
難波 精一郎 宝塚造形芸術大学, 教授 (40029616)
山崎 晃男 大阪大学, 人間科学部, 助手 (40243133)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 継時マスキング / 同時マスキング / 減衰音 / 立ち上がり音 / 重なり感 / 主観的持続時間 / 聴覚の動特性 / リズム知覚 / エンベロープ |
研究概要 |
エンベロープパタンの異なる音刺激を用いて、聴覚の動特性に関連する一連の実験を行い、下記の結果を得た。(1)急激に立ち上がり、ゆっくり減衰する音(滅衰音)の主観的持続時間は、物理的継続時間より短く知覚された。このことは、減衰音の場合、after-effectがないこと、および、時間的に先行する部分が後続する部分をマスクするという同一音内でのマスキングが生じていることを示唆する。(2)ゆっくり立ち上がり、急激に減衰する音(立ち上がり音)、および定常音の主観的持続時間は、物理的持続時間より長く知覚された。このことは、刺激のoff-set部分に強いエネルギーがある時、刺激のoff-set後もafter-effectが存在することを示唆する。(3)連続する2つの減衰音の一部が重畳している場合の重なり感について検討した結果、重畳部分の同時マスキングだけでは説明できないマスキングの影響がみられ、同一音内でのマスキングが示唆された。(4)連続する2つの減衰音の一部が重畳している刺激と、重畳部分がない刺激とを比較し、重畳部分の検知閾について検討した。また、減衰音の先端部に別の音を重畳させた場合の検知閾を測定し、同時マスキングについて検討した。さらに、減衰音の末尾を切断した刺激と元の減衰音との弁別実験を行い、末尾部の有無の検知について検討した。これらの結果、2つの減衰音の一部が重畳している場合には、重畳部の同時マスキングと先行する減衰音内で失行する部分から後続する部分へのマスキングが生じていることが示唆された。(5)減衰音と定常音の音系列を用いて、リズム知覚について検討した。その結果、主観的持続時間の長短がリズムの印象に関与することが確認できた。このことは、音系列のリズム感も音の大きさやマスキングの実験に基づいて提案された音の動特性のモデルによって説明しうることを示唆している。
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