研究課題/領域番号 |
09610087
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
|
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
竹下 秀子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教授 (90179630)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | チンパンジー / ボノボ / 対象操作 / 道具使用 / もほう / ポットメソッド / サブアッセンブリメソッド / 行為の階層性 / 模倣 / ユニットメソッド / 水すくい / 踏み台つくり |
研究概要 |
ボノボ(Pan paniscus)を対象とし、複数物体による道具の構成が必要とされる場面で、当該の道具使用に関して、ヒトによるモデル行動がある場合を設定し、実験を実施した。チンパンジーのヤシの種子割りにみられるような、ユニットメソッドによる道具の構成が可能かどうかを、明らかにすることを目的とした。11頭の飼育ボノボを対象とした第1実験の結果、3頭のおとなのボノボは、1本の棒をかき寄せ棒として使用した。1頭のおとなオスは1本の棒をプラスチックケースに投げつけた。1頭のおとなメスと8歳と4歳のオスは棒ではなくウッドウールをプラスチックケースにむけて差し出し、引き戻した。おとなのうち2頭は、棒を使用して、多様な対象操作をおこなった。第1実験でもっともアクティヴで多様な行動を示したおとなの2頭を対象として、集中的なモデル行動の提示をおこなう第2実験を実施した。その結果、1頭は、幾度か2本の棒をつなぎ合わせることができたが、そのたびに、即座に分解してしまい、できあがった長い棒を道具として使うことはなかった。もう1頭も、一貫してアクティブであり、1本の棒でなんとかプラスチックケースをかき寄せようとした。利き手である右手は、4本の指の協調で精緻な操作が可能であり、左手は常に補助的に有効に使用されていた。両手使用の対象操作技能は非常に高いレベルにある。また、1本の棒使用ではより長い棒を選択していた。使用していた棒をケージの外に手放してしまうと、それを取り戻すために、短い棒を使用し、それも手放した場合には、ウッドウールを利用するというように、複数物体を、順次利用する行動も出現した。しかし、両対象個体とも、90試行を経ても、2本の棒を組み立てて、新たな長い棒を構成し、刺激の食物をかき寄せる行動は出現しなかった。
|