研究課題/領域番号 |
09610111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
進藤 聡彦 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (30211296)
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研究分担者 |
麻柄 啓一 千葉大学, 教育学部, 助教授 (40134340)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 素材概念 / 経済認識 / 教授方略 / 大学生 / 教育心理学 / ルール学習 / 素朴概念 / 認知過程 / 経済学 / 教授-学習過程 / 転移 / 類推 |
研究概要 |
本研究の目的は学習者の素朴概念(不適切なルール)を見出し、学習者が問題解決に際して適切なルールを適用できるようにするための効果的な教授方略を明らかにすることにあった。主要な結果は以下の通りである。取り上げられたルールは「企業間の競争があれば、商品の価格は低い」というものであった。事前調査において、大学生の被験者は等距離でありながら区間が異なると電車の料金が異なる理由を日常文脈に即した出題形式で問われた。この場合、企業間の競争があるからというのが正解であるが、被験者の正答率は著しく低いものであった。被験者の大多数はコストを説明原理とするような不適切な回答をした。これは自生的に獲得された不適切な説明原理という点で社会科学領域における素朴概念だと捉えられる。この結果をうけて、当該ルールの適用を促進する要因を探るために実験が計画された。実験1と実験2では日常事例を用いて適切なルールの教示を行ったり、消費者の視点からルールの説明を加えた。しかし、適切なルールの適用がを促進されることはなかった。そこで、新たに実験3としてルールの記述の方向性と適用練習という2つの要因の効果が探られた。その結果、これら2つの教授要因がいずれも適切なルールの適用に影響を与えることが明らかになった。すなわち、Pという現象の原因Qが問われるような場合には、ルールの記述様式として「P→Q」という形式を「Q→P」と変換すること、また実際に被験者自身にルールを適用させる経験を付与することが教示したルールの問題解決への適用を促進することが明らかになった。
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