研究課題/領域番号 |
09610158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 広島県立保健福祉短期大学 |
研究代表者 |
吉畑 博代 広島県立保健福祉短期大学, 言語聴覚療法学科, 講師 (20280208)
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研究分担者 |
綿森 淑子 広島県立保健福祉短期大学, 言語聴覚療法学科, 教授 (00073023)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 失語症 / 拡大・代替コミュニケーション / コンピュータ / シンボル / 重度失語症 / 拡大・代替コミュニケーションシステム |
研究概要 |
音声言語の表出が困難な重度失語症者には、ACC(Augmentative&Alternative Communication System:拡大・代替コミュニケーションシステム)アプローチが重要とされている。コンピュータを利用したAAC機器の1つにC-VIC(computer-based language production training program;Steeleら,1989など)がある。本研究ではC-VICの考え方を参考にし、我が国独自のコミュニケーションシステムを開発することを目的とした。開発した「視覚的コミュニケーションシステム」では、視覚シンボルをコンピュータ上に取り込み、文レベルの伝達が可能になることを目指した。本システムには、伝達語彙(シンボル)の検索を開始するためのボタンとして「人々」、「名詞」、「動詞」ボタンを設置し、「名詞」中のシンボルは、さらにカテゴリーごとに階層構造を成すよう構成した。各シンボルには漢字と仮名(もしくはカタカナ)を併記し、助詞も使用可能な状態にした。画面中央に配置したスペースに、伝達内容を表すシンボル(および助詞)を順序よく配列し、パートナーとのコミュニケーションを促進させる。 失語症者に本システムを適用した結果、操作方法は短時間で習得可能だった。またジェスチャーや描画などの代償反応のみでは、聞き手に伝達困難だった内容が、本システムの利用によって伝達可能となった。さらに基礎的研究として、本システム中に取り入れたシンボルの理解が可能か否かを検討した。その結果各カテゴリーを表すシンボルおよび下位のシンボルともにほぼ理解可能であることが確認された。以上の研究より、本システムは重度失語症者にとって有効なものと考えられた。今後さらに本システムを失語症リハビリテーションに導入し、実用的コミュニケーションの促進に役立たせる予定である。
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