研究概要 |
本研究では、新しい学校建築の実例視察を織り交ぜながら、勤務地に近くしかも全国的にも注目を集めている三春町の「教科教室型校舎(教科センター方式ともいう)」に焦点化し、そこでの斬新な学校づくりの過程を参観を通してリアルタイムでフォローしてきた。98年と99年、2回教科教室型校舎の生徒対象に意識調査を実施し、三春町の学校の新しい学習環境に特有の一定の傾向を分析し、この建築と新しい教育方針の成果であると確認したことをふまえ、以下の3点で成果を得るべく研究を進めた。 1,三春町の学校づくりのヒントにもなっているアメリカのウイスコンシン州立大学オークレア校名誉教授ジョイアル氏に本研究のレビューを求め、有益な助言を得た。またオークレア学区訪問の際、小中高校にも視察に訪れ、校長・教員からも取材をおこなった。 2,三春町の中学校改革のもう一つの柱であるモジュラー・スケジュリングという教育改善の仕組みやその実施状況について、資料収集と取材等をおこない、その建築面からの関連を含めて検証を進めた。 3,三春町の親の子育てと学校への意識調査をとおして、こうした新しい「学校づくり」に対する関心を間接的な質問法によって把握を試みた。およそ1000通余の調査票が返ってきており、教科教室型校舎、オープンスペース校舎を代表して岩江地区の小中学校と、三春町の「中心」校の小学校、比較のための一般的な小学校の4校の親を対象に行った。実施が怪我等のアクシデントによって遅れ、3月時点では集計中で完了していないので、結果はこのあと大学の研究紀要に掲載するが、それ以外の成果については報告書を作成した。 4,研究成果の公表に関しては、年度途中ではあったが対象校の教員との打ち合わせにも必要だったので以前にとりまとめた研究物を合冊複製して活用し、また最終年度においてはこの間実施した生徒アンケートの結果をまとめて報告書を作成した。
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