イギリスの大学評価の特徴は、次のように要約できる。 1.大学評価は、高等教育の大衆化への対応、中央政府の大学に対する経費支出の削減、高等教育と経済との関係の強化とくに市場原理に基づく教育制度の採用を背景にして導入された。 2.大学評価は、法律によって規定され、中央政府の一機関によって運用されている。その結果、中央政府の指導力が強化され、企画・立案機能が強調された。 3.大学評価は、大学の研究と教育という二つの機能を明確に区分して、それに対応した研究評価と教育評価の二つに区分される。 4.大学評価は、原則としてピアーレビュウ(peer review)に基づく。評価者の氏名は公表される。 5.研究評価及び教育評価の結果は、中央政府の経費配分にリンクしている。その結果、優れた業績をあげると、多くの経費配分を受ける。それは、出来高払いの原則と大学間に競争原理を導入することとなった。 6.大学評価は、大学に対して、新たに経営機能の確立を要請した。それは、大学経営における効率性、効果性、経済性、アカウンタビリテイーという新しい価値観を大学に持ち込んできた。
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