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未公刊資料の解読によるナチズム期ゲッチンゲン教育学派の政治的教育学的立場の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610261
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育学
研究機関広島大学

研究代表者

坂越 正樹  広島大学, 教育学部, 助教授 (80144781)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードノール,H. / ヴェーニガー,E. / ナチズム / ゲッチンゲン教育学派 / 精神科学的教育学 / ノール / ヴェーニガ-
研究概要

平成9年度の研究を継続し、ナチズム期ゲッチンゲン教育学派の政治的教育学的立場について、学派の創始者H.ノール及びその後継者たちE.ヴェーニガー、E.ブロッホマン等を中心に考察を行った。ノールに関しては、ゲッチンゲン大学中央図書館収蔵のノール遺稿文書集を調査し、未公刊の1933/34年冬学期講義録「国民教育の基礎」や私的な書簡の分析から、ナチス政権掌握期のナチズムに対するノールの立場に時差が存することを明らかにした。すなわち、私的な書簡においては1933年頃からすでにナチスに批判的な姿勢が読みとれる一方、講演、講義、著書等の公的な教育学的テキストからは1935年頃まで明らかにナチスに親和的な言辞が認められるのである。ノール自身はこのような言辞を時代の中で発言する教育学者の責任、ないし自らの学派に迫る危険を回避するためであったとしているが、とりわけ1933/34年冬学期講義はナチズムの人種学イデオロギーへの接近を示しており、ノール教育学のナチズムへの迎合的再構成がなされたことを窺わせた。ノール学派に関しては、ナチスのユダヤ人排斥により国外へ移住や亡命をしたブロッホマンやC.ボンディ等と、ナチスに同調したO.F.ボルノウ、ヴェーニガー等の二つの集団に区分された。とりわけ1990年にテキストとして公刊されたヴェーニガーの「軍隊教育学」1944年論文は、ナチズムへの迎合的言辞が顕著であることが明らかになった。しかしこの二つの集団は、単純に加害加担者と被害者という二項図式において道徳的責任を評定されるのみではその関係構造が明らかになりえず、さらに個々の教育学者の時代状況の中での位相を解析することが課題となるものである。以上の研究成果は、「ナチズムとノール教育学(3)」(中国四国教育学会編『教育学研究紀要』第43巻、1998年)として公表するとともに、別冊「研究成果報告書」にとりまとめた。

報告書

(3件)
  • 1998 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 坂越正樹: "ナチズムとノール教育学(3)-ノール学派とE.ヴェーニガーの「軍隊教育学」-" 中国四国教育学会編「教育学研究紀要」. 第43巻第1部. 23-28 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] ハインツ-エルマー・テノルト: "教育学における「近代」問題" 玉川大学出版部, 240 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SAKAKOSHI,Masaki: "Nationalsozialismus und Paedagogik : Ein Fallstudium ueber Herman Nohl" FORUN ON MODERN EDUCATION. No.6. 1-15 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SAKAKOSHI,Masaki: "Nationalsozialismus und Herman Nohl's Paedagogik (3) -Nohl Schule und "Militaerpaedagogik" von E.Weniger-" The Chugoku-Shikoku Society for the Study of Education "ANNALS OF EDUCATIONAL RESEARCH". Vol.143. 23-28 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TENORTH,HEIN-ELNAR: Problematik der Moderne in der Paedagogik. TAMAGAWA UNIVERSITY PRESS, 240 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1998 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 坂越正樹: "ナチズムとH.ノール教育学(3)-ノール学派とE.ヴェーニガーの「軍隊教育学」-" 中国四国教育学会編「教育学研究紀要」. 第43巻 第1部. 23-28 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] ハインツ-エルマー・テノルト: "教育学における「近代」問題" 玉川大学出版部, 240 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 坂越正樹: "ナチズムと教育学-ヘルマン・ノールのケーススタディ" 近代教育フォーラム. No.6. 1-15 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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