研究課題/領域番号 |
09610311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 亞人 (伊藤 亜人) 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50012464)
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研究分担者 |
中村 淳 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10292715)
岩本 通弥 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60192506)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 地域開発 / 内発的 / 自治組織 / 家業 / 組(野沢組) / スキー / 儀礼 / 伝統の創造 / 農村開発 / 内発型 / 家 / 温泉 / 年令組 / 経営戦略 / 開発 / 自治活動 / 観光 / 性的分業 / 伝統 / 地場産業 / 経営 |
研究概要 |
本研究は、日本農村における内発型の地域社会開発の事例として長野県北部の野沢を取り上げ、現地調査は(1)文献資料の収集と分析、(2)主要な住民(key informant)に対する予備的な聞き取り調査、(3)一般住民に対する村落全般にわたる組織的な聞き取り調査、(4)重点的な聞き取り調査、(5)祭りなどの行事の観察と記述、に分けて行われ、(3)の調査とその資料整理については文化人類学専攻学生の協力を得た。この地域の村落の沿革、生業、交通、行政に関する歴史的背景については、文献資料の集約と分析を聞き取りによって補充した。農業と副業としてのあけび蔓細工、温泉と宿泊業、等の発展経緯と相互関連を明らかにした。次いで野沢の自治組織である野沢組と総代の制度については、その沿革と組織の活動の実態調査によりその独自性を明らかにした。温泉については、野沢組による源泉の配分と管理、湯中間による外湯の利用と自主的な管理、宿泊業のうち旅館については調査は十分ではないが、その家業としての基本的な特質は把握することができ、民宿についてはその発展の経緯、農業との兼業の季節的な実態、家庭生活と民宿業との関連、男女・世代間の役割関係、家族と馴染み客との関係、新しい経営戦略、スキーとの関連等について、事例調査を集約することができた。また野沢が全国的にみても特異な位置をしめるスキーについても、その歴史とスキー場やスキースクールの運営、競技選手育成への取組み、競技会の運営やアントン村との交流などと地域社会の内発的な発展との関連を追った。また、神社の夏祭り、国指定重要民俗文化財の「道祖神祭り」、公営方式による葬式や結婚式等の地域における儀礼の事例観察も、野沢における外来住民の編入と村落統合において重要な鍵を握る年齢組織の実態を解明する上で有効であった。
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